くるりというバンドについてたくさんの人がたくさんのことを言う。(私もまたその一人なのだが。)
その中でクリストファーがいた頃が一番だったという話、そして決まってその話の後にはあの頃のくるりにはもう会えない…という言葉がくっついてくる。私も多少はそう思う。
しかし、このライブでのくるり「も」一番だと思う。
私はこの武道館ライブに参加することができた。
あの時の感動を思い出しながらじっくり見た。
選曲がまずよい。新旧織り交ぜた曲順。
さらにアンコール7曲って!!この日は贅沢すぎました。
そしてやはり演奏が素晴らしい。
佐藤さんのベースが私は大好きなのだが、なんだか最近より磨きがかかっているように感じる。あまりとりあげられないような気がするがくるりの音楽の芯といえると思う。
岸田さんの声はやさしくなった。それがよいか悪いかという次元ではなく、今のくるりを現すのだろう。私はすごく好きだ。ただ、気持ち悪い動きは健在だ。(もちろんいい意味で。)
そしてサポートメンバー。サポート、ほんとに素晴らしいです。
まずはドラムスのBOBO。シャープで肉体的で思わず体が動くようなうねりのあるプレイ。さすがにもうくるりのメンバーかのよう。
ギターはフジファブリックから山内総一郎さん。岸田さんが自身の日記で「岡本太郎的でもある」と総くんのギターを語っていたが、この総くんのプレイが半端なくよい。エレキシタールを序盤で多用しているが、マッチし過ぎている。特に2.目玉のおやじ、3.コンバットダンス、4.ハヴェルカでのフレーズは頭にこびりついて離れない。フジファブリックでのプレイでももちろんそうだが総くんのプレイにはとんでもない中毒性がある。ライブ後武道館を出てから自宅につくまでコンバットダンスでのフレーズが頭の中で鳴り続けていた。そして16.Morning Paperのソロ、総くんがチョーキングをかました場面がこのライブのハイライトといっても過言ではない。
この4人がステージで鳴らすアンサンブル。無敵、だった。バンドとして完璧な形。
クリストファー時代をソリッドと表現するとしたら、このライブのくるりはタイトかつソフト、という感じだろうか・・・。
レビューの冒頭でこのくるり「も」一番としたのは、一つのバンドが2階級制覇しちゃった感じがしたからだ。
また、アンコールから登場した、コーラス隊のサスペンダーズ、キーボードの世武裕子さん、パーカッション、このライブの後ドラムスとしてくるりの正式メンバーとなるパーカッションの田中佑司さん、どのかたも素晴らしく、総勢9名で演奏された「ぴっかぴかの新曲」25.奇跡は本当に心の琴線に触れる。涙が出る。
このライブののち「ワルツを踊れ」から「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ」までのまとめであるベスト盤がリリースされ、くるりが新体制になることが発表された。
突然でびっくりしたが、このライブを改めて見て納得できた。
この武道館で「もう一度」完成したくるりはまた新たな旅に出るのだと。
3階級制覇しちゃうのかと、そんな期待もある。
どんなくるりになるか、とても楽しみだ。