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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
郷愁とあやしさに満ちた近未来シーナワールド,
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レビュー対象商品: 武装島田倉庫 (単行本)
連作短篇小説集。ある部分は急速な進化を遂げているのに、他の部分は時代に逆行するようにレトロなたたずまいを残す不思議な世界・・・シーナワールド。人間以外の生き物はその特殊な状況に歩調を合わせるがごとく、人間を凌駕する恐ろしい存在に舞い戻っている。ある戦争で壊滅的なダメージを受けた世界で人々は卑小に健気に生き抜いていく。科学的なSF小説ではないので、いろんなことの説明がほとんどなく、それが逆に空想の領域を広げてくれる。椎名誠の言語感覚の粋が如何なく発揮されたネーミングによって、なんだかよくわからないものが脳裏に閃く。ページ数は短いがひとつひとつの話の密度が大変に粘り気のある濃さに満ちていて、大変に読み応えがある。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
シーナワールドを椎名は欲望する,
By みのり "futtaya" (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 武装島田倉庫 (新潮文庫) (文庫)
これは純然たる「SF」である! 純粋(?)「小説」でも、自伝的「小 説」でもない。「岳」もの、「探検隊」もの、「旅」もの、「映画」ものでも ない。正統派ホンカク「SF」なんだなあ。バラードやP.K.ディック、ハインライン(古いっすか?)にもまけない異常世界をつくりだしている 。この短編連作集はおもしろい! 僕は、他の熱心なシーナ読者に比べると、まったく 不熱心で浮気な一シーナ読者に過ぎない。その僕のなかに、なんとなく、彼の膨大な作品群に対する二分法が存在している。 <虚構> のシーナ・ワールドと、<現実>(から材料をとり、そこに根ざした)シ ーナ・ワールドである。 この二分法は、あまりに素朴であり、誰もがいうことかもしれない。けれどおもしろいことに、椎名さん自身がある短編小説集の「あとがき」でいっているのだが、フィィクショナルな「小説 」にこそ自分があからさまに出ている気がして、自らの自意識が刺激 される、らしい。僕は、こうした意味でも<虚構のシーナ・ワールド> をかうし、実際そちらのほうを好んで読んでしまう。 この本の物語が舞台にしているのは、ある最終戦争後の世界にお けるある国の国境地帯とおぼしき地域――それも(シーナ的固有名詞がふんだんにちりばめられた)山脈や川、湾、海岸、そしてその周 辺にいくつかの廃墟の街が存在するかなり広い一地域である。この世界はいたるところ廃墟である。秩序は失われ、略奪が横行する混沌とした世界である。 人間世界だけが荒廃しているのではない。この 世界で最も印象的なのは、数メートルあるいは数十メートルもの油泥の層が表面をのったりと覆い、異常進化した奇怪な魚類が人間を襲 う「湾」と「海」である。この油は最後にはこの地帯を飲み尽くすことに なるのであるが、それは想像を絶する仕方で「行われる」。(この秘密は実際に本で確かめていただきたい。)こうした世界で生きる人間達の商売・戦い・冒険のエピソードが描かれている。 なぜ椎名さんは自らの虚構世界に自分をみてしまうのだろう? 直接自分が描かれていないにも関わらず。夢の世界なのか、自分の欲望がでているのか。このテーマはもう少し彼の本を読んで考えよう。(000720)
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
不思議世界の始まり,
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レビュー対象商品: 武装島田倉庫 (新潮文庫) (文庫)
初期椎名SFの不思議さが最も感じられる作品。不思議な生物、組織、現象、そしてこれらがヒコヒコ蠢く世界。 だって、武装した白拍子の集団に倉庫が襲撃されるなんて不思議すぎる。 他の著作(特にエッセー関係と自伝的小説)を年代順に読んでいけば、 再度登場するものもあるし、 著者の関心分野が反映されていたりするので、 後々「おっ!!」と思ったり楽しませてくれる作品である。
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