内容(「CDジャーナル」データベースより)
巨匠ランパルの薫陶を受けた、日本が誇るフルート奏者、工藤重典による武満徹没後5年特別企画。篠崎(hp)、川本(va)、岩佐(fl)など共演陣も充実の武満作品集だ。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
ハーモニクス交じりのハープからこのアルバムは始まる。たとえばアルバム・タイトルになっている「巡り」が彫刻家イサム・ノグチ追悼のために書かれた'89年の作品であり、ジャケットに彼がデザインした照明器具があしらわれているように、あるいは「海へ」とグリーン・ピースとの関わりを思い出すように、作曲者が亡くなって5年、具体的な時との結びつきがまだリアルで、でもそれは記憶の中に収まり始めている、そんな不思議な空間にこの音は響く。工藤の音は豊か、共演者も含めて安定した見事な演奏であり、神経質さや危うさ、ある種の攻撃性のようなものは感じさせない。よく歌われている演奏。遺作となり葬儀で演奏された「エア」の最後、少し歪められた、でも明らかな“長三和音”でこの曲集が閉じられる時、“リアリティと追憶の間の不思議な空間”は、亡くなって5年という時間のことではなく、彼の音楽が本来持っていた空間であることに気付くのだった。 (伊藤祐二) --- 2001年03月号