このCDについて
生前、武満徹と深い交流のあった音楽家を中心として、作曲者が望んでいた演奏上の解釈を次代に記録として残すため「アンサンブル タケミツ」を結成。2001年から04年にかけて行われた6回の全室内楽連続演奏会(邦楽器、合唱は除く)のライヴ録音を完全CD化(2枚組全5巻/音源制作=東京コンサーツ)。解説書内容は、全曲書き下ろし曲目解説(三橋圭介)と、小泉浩、佐藤紀雄、高橋アキ、山口恭範による、演奏者ならではの貴重な証言集。復刻掲載! 武満徹が自らの創作の核心を語ったインタビュー(1984年「作曲家の個展」公演パンフレット所収)。
『響きの海 室内音楽全集 1』
■CD1録音:2001年8月19日サントリーホール小ホール(ライヴ)〔サントリー音楽財団 サマーフェスティバル2001〈武満徹の音〉〕
■CD2録音:2002年4月11日東京オペラシティリサイタルホール(ライヴ)〔武満徹 全室内楽曲連続演奏会 響きの海・I〕
内容(「CDジャーナル」データベースより)
作曲家と同時代に生きた音楽家が集まってアンサンブルを結成し、2001年から2004年にかけて武満徹の室内楽曲全作品を演奏するエポック・メイキングな音楽会を催したことは私たちの記憶にまだ新しい。今回リリースされた10枚のCDにはその全貌が収録されている。“現代音楽は苦手”と敬遠している人には、ぜひポップスをアレンジした「ギターのための12の歌」を聴くことをお勧めしたい。武満は尊敬する作曲家の一人としてポール・マッカートニーの名を挙げ、自らも「ソング」という独自の領域に佳作を残すほど歌への思い入れが強かった。編曲によって装いを改めたメロディに、新鮮な感銘を受けることだろう。高橋アキ、吉原すみれらの傑出した演奏がぎっしり詰まった『響きの海』全5巻。折に触れて気ままに取り出し、武満徹の世界を探訪するのも楽しいに違いない。フルート、ヴィオラ、ハープのための「そして、それが風であることを知った」(KICC-589~90に収録)など、現代音楽のイメージを根底から変えるほどの美しさだ。さらに、オーボエと笙のための「ディスタンス」(同前)における衝撃的な音空間など、興味尽きることのない珠玉のアンソロジーと言ってよい。