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普段、“時代小説なんて・・・”と尻込みされてる方にも是非1編だけでも読んでいただけたらと思う超オススメ作品です。
全部で8編収録されている。どれを読んでもハズレはない。
思わずため息が出ることしきり。
舞台は江戸時代なれど現代社会、とりわけサラリーマン社会に通じるものがある。
何故、こんなに人の気持ちを掘り下げて描??るのだろうかとつくづく感心してしまう。
どの編も人生の岐路に立った人々の苦しみや悲しみを描いている。
たとえば藩内抗争・介護問題・・・
読者は自分の人生に置き換えてあたかも自分がその主人公になったかのごとく没頭して読んでしまいます。
圧倒的な筆力に読み終えた後、“人生の素晴らしさ”並びに“読書の醍醐味”を実感できます。
よく文章はその人柄を表すと言いますが、乙川さんの静謐な文章もその誠実な人柄を表していると思う。
とりわけ暖かいまなざしを持って人と接することを勉強出来た気がするのは大きな収穫だ。
みなさんも是非“現役最高の時代小説作家”の名人芸を堪能してください。
乙川さんの作品を読んだあとに他の時代小説を読めばちょっと物足りないように感じるかもしれないはずです。
読み終えた後、明日からは少しは“器用に生きることが出来る”気がしていただけたら幸いに思います。本作は、読者にとって“心の故郷”となりえる作品であると信じております。
宝くじは買わなきゃ当たらないが、本作も読まなきゃ楽しめませんよ。
参考までに私の特に好きな編は「九月の瓜」と「向椿山」です。
8編の短編集ですが、どれも今日的なテーマを主題におき、主人公たちが深く静かに想い、しかも自分を見失うことなく応じていく姿は、明日の自分の立ち居振る舞いを考えさせられるものでした。
私は、理不尽な上下関係のなかでの自分を見失わない姿を著す「田蔵田半右衛門」、親の介護を巡る心の動きを中心に進む「しずれの音」、すれ違いから夫婦生活に失望した女性の自立と幸せを描く「磯波」が特に好きです。
勧善懲悪といったスタイルではなく、時代小説に馴染みの薄かった方にもお勧めする一冊です。
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