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武家の女性 (岩波文庫 青 162-1)
 
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武家の女性 (岩波文庫 青 162-1) [文庫]

山川 菊栄
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

幕末の下級武士の家に生れ育った母千世の昔話をもとに、武士の家庭と女性の日常の暮らしを女性の眼で生き生きと描き出した庶民生活史。動乱に明け暮れる水戸藩で女性たちがどのような躾を受けて暮していたのかが、巧みな筆致で描かれる。女性解放運動の優れた思想家であった著者による滋味溢れる生活史・民俗史。(解説=芳賀 徹)

登録情報

  • 文庫: 201ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1983/4/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4003316215
  • ISBN-13: 978-4003316214
  • 発売日: 1983/4/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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 山川菊栄といえば、女性解放運動家としてのイメージが先行するに違いない。しかし、本書を読めば、彼女が優れた歴史家であることが分かるだろう。本書は、著者が母、千世(ちせ)から伝え聞いたことを文章化したものである。また、女性の視点から幕末の水戸藩の女性を生き生きと描写することに成功している。

 また、私たちが、時代劇などでは知ることができない当時の生活作法を本書の中に見出すことができる。たとえば、アイロンがなかった当時、着物はどのように、しわ伸ばしをしていたのだろうか。

 著者によると、着物に霧吹きをし(といっても、口に水を含ませ、着物に吹きかけるのである)、厚さ6~9センチもある重い板に着物を載せ、その上に同様の板を載せることでしわを伸ばしていたという。

 また、当時、お菓子は貴重なものであり、ほとんど食べることがなかった。さらに、座布団というものもなかったので、お客が来ても渋茶ひとつ出すだけというかなり質素なもてなしだったようである。

 このように、本書から、当時の日常生活に関する様々な情報を得ることができる。本書は歴史研究の1級の資料であるばかりでなく、歴史好きの人の娯楽としての読み物としても最高のものである。

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31 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
安政4年生まれの母親の思い出話から描きだされる、水戸藩の下級武士の家庭の様子と女性の姿。裁縫を習いにくる娘達を楽しませるために仮装をして関寺小町を踊る老藩士、自分で削った竹のお箸をお年玉にくれるやさしいおばあさん、尼将軍と呼ばれた後妻さんなど多彩な人々が登場、冒頭に掲げられた家系図に書き込みをしながら読んでいくととても楽しめる。一方で正月に一家の着物を新調するために前年の夏に糸を染めに出したり、牢中で子供に論語を教えたりする主婦たちの勤勉さにも瞠目する。なるほど江戸時代の女性でも水戸の女性でもなく「武家の女性」なのである。怠け心がおこった時に読むと叱咤激励を受けることができて重宝。
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By maimai
幕末の水戸藩の下級武士で生まれ育った著者の母千世の、武士の女性としての生きざまを書き下した名著。

お塾の朝夕、お縫い子、身だしなみ、遊びごとなど本当に当時の日常生活を描いた非常に素朴な本ですが、当時の日本人の本当に勤勉でまじめだった姿が浮かび上がってきます。特に、当時は儒学の影響が強かったため、男性は論語を素読するなど手習いに相当力が入っていたようです。 また、女性は女性で、「家庭は教室でもあり、職場でもあり、保育所でもあり、養老院でもあり、いっさいを意味していた」という背景から女性の立ち位置と、家庭のごたごたを起こさない、家庭を収める女性の凛とした女性像が浮かび上がります。

男女の役割はそれぞれこうあるべきだということでは当然ないですし、むしろ時代は私たちに新しく変化することを求められていますが、「変わるものと変わらないもの」を見極め、それこそ江戸時代から、そして50年後、100年後も変わらない日本人の良さこそ、今最も見直すべきなのかも知れないとこの一冊を読んで感じました。
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