登録情報
|
この商品にタグをつける(詳細)タグは、商品との関連性が非常に強いキーワードまたはラベルのようなものです。
タグにより、すべてのお客様がお気に入りの商品の整理と確認を行うことができます。 ※タグは初期設定で公開になっています。詳しくはこちら |
武士道では、組織への忠誠と個の自立の両立が提唱されていた。「武士道とは死ぬことと見つけたり」とファナティックな忠誠心で有名な『葉隠』ですら、「気にかなわざることは、いつ迄もいつ迄も訴訟すべし」と信念を貫くことを説いている。著者は言う。むしろ、『葉隠』の理想の武士とは、『扱いが難しく、手のやける人物たちであるけれども、ひとたび組織が困難に直面し、存亡の危機に陥ったときも決して任務を放棄したり、責任を他に転化することもなく、ひとり最後まで踏みとどまって劣勢の挽回に奮闘努力するタイプの人間』であり、『日常的には組織に腐敗をもたらすような馴れ合いと、事なかれ主義の危険を不断にチェックしてくれるような存在』なのである。
この部分を読んだとき、隆慶一郎氏の小説『死ぬことと見つけたり』を連想した。『葉隠』を面白く読み替えた、というこの小説の登場人物に、ぴったりだと思った。
他にも、稟議制度、終身雇用制、年功序列、といった日本型組織が、武士社会のシステムから生まれ、本来個の自立を保証するモデルであったことをスリリングに論証している。
冒頭の組織ほどでないにせよ、サラリーマンとして、組織と個の葛藤、理想と現実の矛盾に悩む私にとって、忠義と矜持の両立を、武士が目指し実現していた事実は、会社へ向かう勇気を与えてくれた。
本書はNHK人間講座のテキストで、NHK教育の毎週水曜日十一時から放映されているので、興味のある方はそちらもどうぞ。