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武士はなぜ歌を詠むか  鎌倉将軍から戦国大名まで (角川叢書)
 
 

武士はなぜ歌を詠むか 鎌倉将軍から戦国大名まで (角川叢書) [単行本]

小川 剛生
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

時は乱世、草深き関東に興った武士たちは、政務や合戦の間にも和歌を詠んだ。宮廷文化や古典の世界に憧れつつ、神仏に祈願し、自らの支配を確かにするべく、文学の力を信じ続けた「たけきもののふ」の心。

内容(「BOOK」データベースより)

戦乱の続いた中世、武家は熱心に和歌を詠み続けた。宮廷文化への憧憬ばかりではない。一門や家臣との結束をはかり、また合戦を前に神仏と交流し、あるいは他国との交渉にと、自らの支配を確かにするために和歌の道は不可欠であった。地方に下った歌道師範の地位の高さは想像を絶するものがあった。武家政権の発祥地である関東を中心に、鎌倉将軍宗尊親王、室町将軍足利尊氏、江戸城を築いた名将太田道潅、そして今川・武田・北条の戦国大名三強を取り上げて、武家社会における文学伝統の足跡をたどる。

登録情報

  • 単行本: 270ページ
  • 出版社: 角川学芸出版 (2008/7/11)
  • ISBN-10: 4047021407
  • ISBN-13: 978-4047021402
  • 発売日: 2008/7/11
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By 南米小路尼存麻呂 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
商品説明にもありますように、武士にとって何故和歌が必須の教養とされたかというのを、鎌倉時代から戦国時代までの有力武将(但し鎌倉時代の例は親王将軍ですが…)をネタにして解明していく本です。

よく聞かれる説明では「和歌というのは都の文化の象徴で田舎の武士には憧れの対象だったから」という物がありますが、この本を読めば、武士にとっての和歌はそのような単純な物ではないことが分かります。鎌倉時代においては政治派閥を形成したり、或いは都の政治党争が反映されたりするものであり、南北朝時代においては政治的に頼れる存在をヨイショするための物であったり、戦国時代になると配下にいる国人や家臣を統合する物であったりと、多分に政治的な物であったことが分かります。

また、中世武士の和歌の世界において重要な役割を果たしたのが、藤原定家の末裔であの時雨亭文庫の冷泉家であると著者は述べています…というか明言はされてませんが、各章でも必ず冷泉家が出てくることからそれはよく分かります。

一つ残念な点を挙げると、武士が和歌を詠むようになったきっかけとして”武芸で宮廷に仕えるのが武士、和歌はそのために必須の教養”とずばり書かれているのに対し(p.13〜15)、武士が和歌から遠ざかった理由についてははっきり明言されてないところです。「詩を作り、歌を詠み候事、停止たり(加藤清正掟書)」と書かれていたり(p.245)、或いは終章で、徳川家康と今川氏真のやりとりや林羅山が冷泉為満を罵倒した話を例に挙げてられるところから、おそらく幕藩政権の成立に原因を求めてられるように思われるのですが。

なお、目次を見ても分かるように、東国の中世を中心としているので、この辺りに興味のない人は読み進めていくのにちょっとつらいかも知れません。政治情勢も非常に難しい時代ですし。

最後には膨大な参考文献一覧と、重要用語の目次が載ってます。
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
和歌とは学生時代におよそ縁遠い存在だった。しかし、その成り立ちや背景を知れば知るほど日本人としてこの国がどう発展し、国の体系を築いてきたかを理解するうえで決して軽い存在でないことがわかってきた。いま日本では和歌というと「短歌」を指すことが多い。しかしながら、成り立ちやその伝達においてそれらは根本的に違うもの。歌会始めでこの現代短歌が主流になり国民が皆これを「やまとうた」と勘違いしている。ぜひ、熟読して何を和歌が役割するかを考える機会であると思う。
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