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武器よさらば (新潮文庫)
 
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武器よさらば (新潮文庫) [文庫]

アーネスト ヘミングウェイ , Ernest Hemingway , 高見 浩
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

苛烈な第一次世界大戦。イタリア軍に身を投じたアメリカ人青年フレドリックは、砲撃で重傷を負う。病院で彼と再会したのは、婚約者を失ったイギリス人看護師キャサリン。芽生えた恋は急速に熱を帯びる。だが、戦況は悪化の一途を辿り、フレドリックは脱走。ミラノで首尾よくキャサリンを見つけ出し、新天地スイスで幸福を掴もうとするが…。現実に翻弄される男女の運命を描く名編。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ヘミングウェイ,アーネスト
1899‐1961。シカゴ近郊生れ。1918年第1次大戦に赤十字要員として従軍、負傷する。’21年より’28年までパリに住み、その後スペイン内戦、第2次大戦にも従軍記者として参加。’52年『老人と海』を発表、ピューリッツア賞を受賞。’54年、ノーベル文学賞を受賞。’61年、猟銃で自裁

高見 浩
東京生れ。出版社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 565ページ
  • 出版社: 新潮社 (2006/05)
  • ISBN-10: 4102100148
  • ISBN-13: 978-4102100141
  • 発売日: 2006/05
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By marino VINE™ メンバー
ヘミングウェイ作品の中でもこの「武器よさらば」は群を抜いて素晴らしい出来だと私は思います。それは戦争(第一次世界大戦)を実際に戦った一人の兵士が後に作家となって書いたことで「個人的な視点から見る戦争」を表現できたのではないかと思います。

第一次世界大戦中のイタリアを舞台に一人の兵士と看護婦の物語を描いていて、主人公の兵士は戦争で大した活躍をするわけではないし戦地を脱走する。つまり、勲章を手にするか、名誉の戦死か、というよくある二択を完全に排除している点は興味深いと思われます。また、その二択のせいで見えにくくなっている「個人の人生」をしっかりと描いています。

結末を含めて戦争と男と女の関係をリアルに描いているので、中学か高校の国語か歴史の教科書に載せるべきだと思うが、戦争を「(個人の意思を捨てた)国の一大事」と捉える教科書には不向きでもある。だからこそ戦争をなくしたいなら世界中の人々がこの作品を読むべきだと思う。

作中のいくつかあるターニングポイントで食事や酒やバーテンダーが出てきますが、その三つは共通して「生きる物を平等に助ける」役目を果たします。その点にも注目していただければより面白いのではないでしょうか。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
主人公フレドリックとキャサリンの出会いと恋愛を軸に「生と死」を
見事に描いている。
文章が簡潔にテンポよく進むのが印象的だ。
日本人には書けない作品。
真似をしようにもへミングウェイみたいな生き方がダイレクトに
反映された本作のような作品は無理だ。

印象的なのは「雨」だ。
キャサリンは雨を恐れる。
それは「雨に打たれて死んでいる自分が見えるから・・・」

僕は本作のラストに出てくる雨ほど悲しい雨を知らない。
このレビューは参考になりましたか?
19 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
 第一次大戦下、アメリカ人フレドリックはイタリア軍で傷病兵搬送任務にあたっていた。彼は戦地で出会ったイギリス人看護師キャサリンと恋に落ちる。凄惨な戦争のもとでも彼女との日々に癒されるフレドリック。しかし戦況は厳しく、ドイツ軍の大攻勢のためイタリア軍は敗走をよぎなくされる。そのさなか、フレドリックは戦線を離脱してキャサリンのもとへ帰ることを決意し…。

 今から四半世紀も前の高校時代、大久保康雄の翻訳で「武器よさらば」を読んだことがあります。若い二人が理不尽な戦争によって翻弄されていく悲しい物語に心揺さぶれたことをよく憶えています。
 私が好きな高見浩の手でこの物語が新たに訳し直されたと知り、もう一度二人の運命と伴走してみることにしました。

 死と隣り合わせの日々に熱を帯びる若い男女が、高校生であった私の目には憧憬の対象として映ったものです。故郷である地方都市以外で暮らした経験のない私が、自分の人生ではなくこうした小説の中にしかまだ見出すことのできない、波乱に満ちた物語に憧れを持つのは無理からぬことでした。

 あれから幾星霜。人生を歩んできた末に今回再読して印象に残ったのは、少し別の側面でした。
 本書124頁で、フレドリックは会話をかわした従軍神父がいつの日か故郷のアブルッツィに帰ることを静かに祈ります。町はずれを流れる小川。そこに棲む鱒。涼しい夏の宵。栗林を縫って行なわれる秋の狩り。一緒に昼食をとる地元の農夫たち…。彼はそんな様子を思い描きながら眠りにつきます。
 そう、なんてことはない、波乱とは縁遠い村の日々には、戦争のない幸せがある。しかし変哲のない生活にありがたみを感じることのできる平和が今は遠のいてしまっている。そのことを描く、とても美しいこの場面を私は幾度も読み返しました。
 この場面に胸打たれる私が25年後の今ここにいる。そのことを感慨深く思った読書です。
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