兵頭氏の本を何冊か読むと「日本人は農民のなれの果て」というくだりがちょくちょく出てくる。ゆえに、女中根性のヘタレばかりの国民になったのだ、と。またそれが、先の大戦において高初速の対戦車砲や敵の装甲を貫く砲弾ができない遠因だと。
戦争問題や兵器の話になると、当時の国際情勢や、その時点の技術力のみの話ばかりではないだろうか。氏のように遙か昔から続く民族固有の文化や成り立ちから原因を求めた意見という物は非常に珍しい。正直、頭から信じられないような気もするが他にない考えなのでおもしろく読めてしまう。
本書はそれらの内容に重点を置いた内容である。氏の著作の特徴としては、九割雑学、一割核心という内容が多いが、これは肝心の核心の割合が多い方だと思う。また、もう一つの特徴としては、読者に高度の歴史、軍事の知識がないと意味がわからないという点である。これは仕方ないだろう。