正義とは「語り合うものではない」というサンデルとは正反対の方向からの取り組みです。
革命的な左翼とは何か、というテーマに関心がある人にはおすすめできる。
本書でやはり気になるのは水俣病問題が解決したかのように語られていることである。
当然ながらこの震災の最中でも裁判は進行し、和解を得た人もいればまだ裁判を続ける人もいる
(赤旗では勝利和解となっているようだが)。
当然のことながら東大医学部では長らく水銀との関連が否定されており医学部というシステム自身が
大きな問題ではあるのだが(熊大医学部は除く)。
その点からいえば想定されている読者は既存左翼であり、左翼の新たな形を哲学史の読み直しにより
位置づけるということができよう。哲学史の知識があれば知的読み物として楽しめなくはないが結局
なぜ左翼につながるのかさっぱりわからない。
やはりサンデルブームに乗ったタイトルを付けつつこの内容では多くの人に大きな誤解を与えかねない
のではないだろうか。
本書のラストは「我々は革命的左翼である」という言葉でしめくくられている。