子規の一生がわかりやすくまとめられた本書。
「正岡子規ってどんな人?」
そんな疑問に優しく答えてくれる最良の入門書だと思う。
内容もマニアック過ぎず、かといって簡単過ぎず、とても良いバランスに仕上がっている。
文中には当時の写真や図表なども収録されており、読者をあきさせない工夫が随所になされている。
子規が学生時代に仲間と作った容姿・色欲・勉強などを互いに評価しあった『点数表』。
友人の野球の技量を比較した『ベースボール番付』。
俳歌の友人らと催した食事会での『闇汁の図』など、読んでいて思わず笑ってしまうものもある。
俳句のベテランや子規マニアには物足りない内容かも知れないが、人間・正岡子規を知るための第一歩には最適な本。
注意すべきは、本書があくまで正岡子規その人に焦点を絞ったものであって、子規の作品について解説・解釈を加える性格のものではないというところか。
全編を通してさらっとしているのに読み応えがあります。良書です。