ほとんどがカラー写真で、拡大写真も多いです。主要な宝物はほぼすべて網羅されているんじゃないでしょうか。
この本が面白いのは、研究員でしか知り得ない情報が満載だからです。
例えば、未使用のまま保管されていた合金製の食器(写真で見る限り現代でも使えそう)を包んでいた緩衝材は、隣国の役所で作成された帳簿の反故紙だったそうです。食器は新羅からの輸入品だったんですね。
また、正倉院に納められた生薬は許可を得れば取り出して使用することも可能だったそうですが、現代の市場でも最優良品(ちなみに現在でも薬効を失っていない)の大黄(主に下剤)は特によく消費されていたようです。
トリカブトより強い毒性を持つ薬物が、百年後には献納当初の十分の一になっていたと言うのは...。奈良〜平安初期は世情不安定でしたからね。研究員の方がおっしゃる通り、誰が何の目的で使ったのでしょうか。
服飾史や音楽、書に関心がある方にもおすすめの一冊です。