正直あまり期待していませんでしたが、なかなか良かったです。
ストーリーはどちらかというとありふれている展開(先が読める)なのですが、
やはり俳優という立場で現場を経験してきた人だからこそなのか、
各登場人物の存在感、その人物の雰囲気感が生かされていて映像が浮かぶようでした。
ケータイ小説に馴染んでいる世代の方には、すんなりと受け入れられる種類の小説でしょう。
文章はところどころ読みにくさもありましたが、
井上凛さんという作家として受賞暦もある方が書かれていて、
柳楽さんは「起案・作」となっていることがポイントでしょう。
若さと孤独に付きまとう影、弱さに溺れて、最後に希望を見出した時には手遅れ…
という大筋ですが、周りの大人、老人、子供…がつないでいく未来が描かれています。
柳楽さん自身の、思春期の不安定な気持ちを打破したいという思いが伝わってくるようにも感じられました。