遥かな故郷銀河への帰還の道を宇宙航行種族の援助に求めて接近を図ろうとする人類の挑戦を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第172巻。本巻の執筆者は、中堅からベテランへの理想的リレーのフォルツとダールトンです。ローダン一行はスコアルから情報を得て、球状銀河M−87を支配する‘中枢部の設計者’の側近である‘基地のエンジニア’の存在を知りゲーグ星系へと向かう。
『歓楽世界ゲーギヴァル』ウィリアム・フォルツ著:ローダンは休暇惑星ゲーギヴァルに高位の種族が集まると確信し、耳のとがった青肌のエネルギー・エンジニアに変装してダントンとミュータントを連れて四人で惑星へと潜入する。まず彼らを待っていたのは、滞在客に奉仕する巨大蜜蜂種族のジングイセムであった。『選ばれし者の誘拐』クラーク・ダールトン著:ローダンは蜜蜂の女王に文句をいい説得して、自分達を選ばれし人々の大陸へと案内させる。そこへ訪れる予定の基地のエンジニアを待ち受ける計画であった。
ゲーギヴァルには蜜蜂種族の他にも、六本脚のヒキガエルの警備員ドゥームフリーや水掻きと鱗に覆われた原始的水棲怪物プリグスが潜んでいたのでした。故松谷健二氏のあとがきは、エネルギー問題についてのお話です。モーツァルト歿後二百年に当る年に思う所があり、彼が生きた十八世紀の百年間で人類が使ったエネルギーを、今の我々はおよそ一週間で使っているのでは、と危惧されます。地球の環境汚染の問題にも触れて、何時までも石油ばかりに頼らずエネルギー源として太陽を利用する事に踏み切り、手遅れになる前にそろそろ人類単位で共同プロジェクトに取り組むべきだと述べられています。