まず、こういう映画にありがちな「感動させてやろう」「笑わせてやろう」という強引さを感じさせなかったのがいい。
なにより、キャラクターがしっかり確立されていること。いかにも公務員然とした事なかれ主義の主人公(小林薫)は、まったく悲壮感なしに、無責任男なりに責任を感じて奔走する。この、小林薫が演技賞ものの演技にあらためて関心しました。どう見てもダメ人間なのに、なんだか応援したくなってくるから面白い。彼は、家庭内の問題も抱えており、離婚の危機だったりしていているんですね。(笑) でも最後は、だらしないお父さんが、変身する!!
由紀さおりは、セレブ奥様たちを率いる、ベテランコーラスグループのリーダーで貫禄たっぷり、当然、歌もうまい。もう一方のグループは、根岸季衣や藤田弓子をはじめとするパートのおばちゃんや商店街の人々で、庶民的な味わいを醸し出す。リーダーは、元音楽の先生で、今は介護福祉士をやっているという奥さんを安田成美が好演。癒し系でいて頭の回転が良くてという儲け役ではあるのですが、久々映画に登場の安田成美がキュートに演じています。
オバサンコーラス軍団同士の折衝から、お互いの友情が生まれるのも、お約束の展開ながら面白い。クライマックスに向け映画は一気に感動的な物語へとなだれ込むのが心地いい。
強面の借金取り(でんでん)の無理難題や、立川志の輔本人の登場、コーラスグループによる泣かせるエピソード等、観客を飽きさせない工夫もされています。
個人的にウケたシーンを一つ。「袖をまつり縫いで、縫ってください」と言われた小林薫が「まつり縫いとは、ずいぶん陽気な縫い方だ」とボケるシーンに座布団一枚!
映画館で2度観ましたが、DVDが出たらまた観ようと思っています。