留学生として来日した著者が、新宿歌舞伎町で中国語圏からの観光客相手に「案内人」の仕事をする。飲食店、風俗店との商売、ヤクザとのかけひき、刑事との付き合いなど日本人でも知らないような話が満載でとてもおもしろい本。
多くのピンチを持ち前のバイタリティーと機知で切り抜けていくところが小気味よい。
縄張り争いで敵方についたヤクザを小金をちらつかせて味方に取り込んでしまうあたりは、ヤクザ心理を読めないとできる芸当ではない。
著者も言うように「面子」や「見栄」を重んじるなど、ある意味中国人社会とヤクザ社会の人間関係は似ているところが多いのかなーなんて考える。
まず「面子」。そしてとても信義を重んじる。……かと思えば時に利にさとく、寝返るのもすばやい……このあたりが似ているかなー。
そして圧巻は最後の自宅マンションに押し入った中国人強盗との駆け引き。一歩間違えば命を落としていたところを、失禁するほどの恐怖に耐えながら何とかことば巧みに切り抜ける。
この本は著者のメモや口述をプロの日本人ライターが書いており、訳書ではないので文章は非常に読みやすい。また、中国人のインテリ独特の嫌味な古典の引用などもない。
内容にどぎついところもあるが、著者の人柄というか誠意が感じられて読後感は悪くない。お薦めの本である。