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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
見事な”おとな”のあそび,
By わかすぎ一路 (千葉県松戸市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 歌仙の愉しみ (岩波新書) (新書)
本書は「すばる歌仙」に続く、丸谷さん・大岡さん・岡野さんの三吟で巻かれた歌仙とその感想戦(これは将棋用語かな)。 鑑賞のための評釈と違い、三人の創作の裏話対談が歌仙を巻く面白さを十分に伝えてくれる。 歌仙に関しては、 丸谷さん大岡さんたちの「浅酌歌仙」「とくとく歌仙」でその面白さを教えられ、 それから安東次男さんの評釈でその奥深さを知りました。 豊かな感性と知性で織り上げていく、それは見事な”おとな”のあそびとなっています。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
共同作品の妙味、面白さ,
By
レビュー対象商品: 歌仙の愉しみ (岩波新書) (新書)
本来文学は孤独で、厳粛で、大まじめな自己表現だと信じていた子規は、即興で、遊戯性のある合作連句を見下した。以降幾変転の後、今平成二十年弥生三月、この古風な歌仙を置き去りにせず岩波新書に仲間入りさせたことを是としたい。それも、小説家丸谷才一を中心にして、詩人大岡信、歌人岡野弘彦という錚々たる文学者で巻いた歌仙八作品が紹介されていて、重厚で豪華な感じがする作品系列になっている。 発句 長夜ひとりぽつねんと酒の稽古する 玩亭(丸谷才一) 脇句 するする咽喉をとほる里芋 乙三(岡野弘彦) 第三 朝戸出に弓張月を仰ぎ見て 信(大岡 信) 大岡 里芋が脇で、「長夜ひとりぽつねんと」と大変うまく合っている。秋の場合は第三が 「月」ですが、里芋の世界から離れて、どういう世界にいくか。月というのを出すのはなかなかむずかしい。 (第三)するする咽喉を通っていく里芋をゆうべ食った、そういう人が朝早くにどこかへ出掛けなければならない。それで「朝戸出に」というかたちにしたんです。 丸谷 これ、万葉語ですか。 大岡 万葉語だと思います。「朝戸出に」という古語を使うと、月も「弓張月」ぐらいにしないと緊張感が保てない。 このようにして、微妙に、付かず離れず、連句が展開していく作品形成の跡を追っているのが本書である。単に作品だけを並列したものではない。 大岡信を宗匠挌にして岡野弘彦、丸谷才一の三吟で巻くことが多いらしい。三人三様であることが作品の幅を広くする。 一番大事にするのは詩情であるという。文学としてのおもしろさをいい加減にして官僚的に式目を守ったって始まらないよ、という気持ちが三人に共通してある。一夕の座興でありながら、しかも共同作品を残したいと願っているという。
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
インテリ爺さん達がワイワイ遊んでる雰囲気が良い。,
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レビュー対象商品: 歌仙の愉しみ (岩波新書) (新書)
歌仙(=三十六本構成の連歌・俳諧の形式。三十六歌仙にちなんでこういう呼び方をする)に関する予備知識全く無しでも楽しめました。僕のような初心者は巻末のルール解説を参照してから読んでも良いでしょう。諧謔に走りがちな丸谷氏と対照的に手堅い岡野氏、硬軟自在な大岡氏と、三人のキャラも良いバランスです。割とルールを厳密には守らず自由にやられてるようですが、それでも最低限のルール、古典の引用などが発想の随所できちんと脇を締めています。和歌や俳句というと、例えば月を愛でながら、もしくは旅先でビジュアル素材をもとに詠うような印象を持っていましたが、三人は前の句をもとに想像の世界で視覚イメージをどんどん自由に組み立てていきます。各々の句の発想のネタをお互いに明かしあいながら解説しているので、この短詩形式の創造の仕組みが学んだ気になれました。 インテリ爺さん達がわいわい碁を打ってるような雰囲気の本。この楽しさが「歌仙の愉しみ」なのでしょう。こういう年の取り方も良いもんだなと思いました。
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