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歌仙の愉しみ (岩波新書)
 
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歌仙の愉しみ (岩波新書) [新書]

大岡 信 , 丸谷 才一 , 岡野 弘彦
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

当代随一の詩人、歌人、小説家が揃って、一巻三十六句の調べを織りなす。古きよき歌ことばから現代語まで、とっさの受けは縦横無尽。滑稽とみやびの丁々発止が、古来うけつがれてきた歌のかたちを生き生きと現代によみがえらせる。独吟ではない「座の文学」の愉しさを存分に教えてくれる、恰好の俳諧入門。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大岡 信
詩人。1931年静岡県生まれ、東京大学文学部卒。評論『紀貫之』(読売文学賞)、『折々のうた』(岩波新書、菊池寛賞)他多数

岡野 弘彦
歌人。1924年三重県生まれ、國學院大學国文科卒。折口信夫に師事。國學院大學名誉教授。歌集『滄浪歌』(迢空賞)『天の鶴群』(読売文学賞)『バグダッド燃ゆ』(現代短歌大賞)、評論『折口信夫伝』(和辻哲郎賞)他多数

丸谷 才一
小説家。1925年山形県生まれ、東京大学文学部英文科卒。『年の残り』(芥川賞)『たった一人の反乱』(谷崎賞)『樹影譚』(川端賞)『輝く日の宮』(泉鏡花賞)、評論『後鳥羽院』(読売文学賞)『忠臣蔵とは何か』(野間文芸賞)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 233ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/3/19)
  • ISBN-10: 4004311217
  • ISBN-13: 978-4004311218
  • 発売日: 2008/3/19
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
本書は「すばる歌仙」に続く、
丸谷さん・大岡さん・岡野さんの三吟で巻かれた歌仙とその感想戦(これは将棋用語かな)。
鑑賞のための評釈と違い、三人の創作の裏話対談が歌仙を巻く面白さを十分に伝えてくれる。

歌仙に関しては、
丸谷さん大岡さんたちの「浅酌歌仙」「とくとく歌仙」でその面白さを教えられ、
それから安東次男さんの評釈でその奥深さを知りました。

豊かな感性と知性で織り上げていく、それは見事な”おとな”のあそびとなっています。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 宣長さん トップ50レビュアー
形式:新書
 本来文学は孤独で、厳粛で、大まじめな自己表現だと信じていた子規は、即興で、遊戯性のある合作連句を見下した。以降幾変転の後、今平成二十年弥生三月、この古風な歌仙を置き去りにせず岩波新書に仲間入りさせたことを是としたい。
 それも、小説家丸谷才一を中心にして、詩人大岡信、歌人岡野弘彦という錚々たる文学者で巻いた歌仙八作品が紹介されていて、重厚で豪華な感じがする作品系列になっている。
 
 発句 長夜ひとりぽつねんと酒の稽古する   玩亭(丸谷才一)
 脇句  するする咽喉をとほる里芋      乙三(岡野弘彦)
 第三 朝戸出に弓張月を仰ぎ見て        信(大岡 信)
 
 大岡 里芋が脇で、「長夜ひとりぽつねんと」と大変うまく合っている。秋の場合は第三が
「月」ですが、里芋の世界から離れて、どういう世界にいくか。月というのを出すのはなかなかむずかしい。
(第三)するする咽喉を通っていく里芋をゆうべ食った、そういう人が朝早くにどこかへ出掛けなければならない。それで「朝戸出に」というかたちにしたんです。
 丸谷 これ、万葉語ですか。
 大岡 万葉語だと思います。「朝戸出に」という古語を使うと、月も「弓張月」ぐらいにしないと緊張感が保てない。

 このようにして、微妙に、付かず離れず、連句が展開していく作品形成の跡を追っているのが本書である。単に作品だけを並列したものではない。
 大岡信を宗匠挌にして岡野弘彦、丸谷才一の三吟で巻くことが多いらしい。三人三様であることが作品の幅を広くする。
 一番大事にするのは詩情であるという。文学としてのおもしろさをいい加減にして官僚的に式目を守ったって始まらないよ、という気持ちが三人に共通してある。一夕の座興でありながら、しかも共同作品を残したいと願っているという。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By イッパツマン トップ500レビュアー
形式:新書
 歌仙(=三十六本構成の連歌・俳諧の形式。三十六歌仙にちなんでこういう呼び方をする)に関する予備知識全く無しでも楽しめました。僕のような初心者は巻末のルール解説を参照してから読んでも良いでしょう。

 諧謔に走りがちな丸谷氏と対照的に手堅い岡野氏、硬軟自在な大岡氏と、三人のキャラも良いバランスです。割とルールを厳密には守らず自由にやられてるようですが、それでも最低限のルール、古典の引用などが発想の随所できちんと脇を締めています。和歌や俳句というと、例えば月を愛でながら、もしくは旅先でビジュアル素材をもとに詠うような印象を持っていましたが、三人は前の句をもとに想像の世界で視覚イメージをどんどん自由に組み立てていきます。各々の句の発想のネタをお互いに明かしあいながら解説しているので、この短詩形式の創造の仕組みが学んだ気になれました。

 インテリ爺さん達がわいわい碁を打ってるような雰囲気の本。この楽しさが「歌仙の愉しみ」なのでしょう。こういう年の取り方も良いもんだなと思いました。
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