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本書に見る奔放なアイデアの連続に、SFの想像力の源泉は、1960年代に汲み尽くされてしまったかと思わされる。ノヴァの爆発を起こす恒星の名前がラヴェルなら、その惑星はダフニスとクロエだなんて冗談みたい。なぜ、木星(のような惑星)でロミオとジュリエットを上演しなければならないのか、などなど。奇想天外な想像力の爆発にただただ脱帽。
自己主張の強いチャーミングな「ヘルヴァ」が本書のヒロイン「歌う船」である。タイトルからすると「歌う船」としての才能を活かして縦横無尽に活躍するサイボーグ宇宙船の物語を想像するが、ヘルヴァは、どちらかというと「歌う船」としての名望をもてあましているかのよう!に見える。声の才能で危機を脱することは、一度ならずあるものの、ヘルヴァにとっては歌は実際のところ楽しみ(趣味)と割り切っているところがいい。
全部面白いのだが、連作の最初の作品「歌った船」(原題が過去形になっていることに秘密がある)のヘルヴァが一番初々しくて好きである。
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