iPhoneアプリで本作を読んだ。
店頭でハードブックも開いてみたが当然のことだが内容は一緒だった。
違うのは章毎にアートワークが表示されるのと、一部のシーンで効果音に近い音楽が流れることだけだ。
上層、中層、下層に区分けされた理想社会をアキラは旅する。
通常であれば一生を決められた層で生きるところを、旅で社会を横断する。
層毎の違いを方言のような言語で表しているのはわかりやすい。
どの層も我々の世界観からすれば不幸にしか見えない。
既存のディストピア小説と異なるのは、指導層とそれ以外に分かれて指導層だけが幸福、という構造ではないことだ。
章毎に新たな設定が延々と提示されるやり方は「家畜人ヤプー」を思わせるが、主人公に目的を持たせ行動させる点で本作のほうが一貫したまとまりがある。
社会を強調しているのと特殊な環境のため、登場人物たちの心情は理解しがたい。あと長い。
作者の「コインロッカー・ベイビーズ」の薬島みたいな設定が好きか、ディストピア小説が好きならおすすめ。