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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
果てることのない想い,
By うろ - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 欲望 (新潮文庫) (文庫)
どのような恋慕も、身体で愛を交わすことによってその一時はカタルシスを得ることができる。しかし、そういう肉体的な楔を打ち込むことができない想いというのは、一体どこまで続くのだろう?『果てることのない想い』-想像しただけで気の遠くなりそうな、気分の悪くなりそうな、それでいて不思議な陶酔を覚えるような観念だ。また、『相手を求める』と簡単に言うことはできるけれど、その求める『何か』が肉体以外の何かであるのだとしたら(そして、多分そうなのだろうけれど)究極的に、私たちが愛する人に求めているその『何か』とは一体何なのだろう? 読後は暫し放心してしまった。 焦がれるような切なさが溢れる、秀逸なラヴストーリーだった。 なお、正巳の口からあるものが零れ落ちる場面といい、終盤に袴田の本からあるものがはらりと落ちる場面といい、小池真理子の演出の芸の細かさと上手さはいつもながらさすが…。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
ストーリー性,
By
レビュー対象商品: 欲望 (単行本)
作者の書きたかったことは推定できるが、ストーリー性の希薄さが、作品としての完成度を損なっている。阿佐緒、正巳の死がいずれも唐突であり、割いているページも少なすぎる。理由も読者に明確ではない。この部分を簡単に片付けてしまったので、それまでのやりとりが冗長だったのだと判明してしまうのだ。特に阿佐緒の事故の状況を述べている視点が誰なのか不可思議だ。全体の視点が類子なのに、ここは神の目のようだ。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
小池真理子でないと書けない,
By ヒロ - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 欲望 (新潮文庫) (文庫)
読み終えてしばし考え込んでしまう。だけど一方で美しく透明感溢れるすがすがしさを感じられる。自分自身に置き換えると身動きが取れなくなる作品。男と女が惹かれ会い精神と同様に互いの肉体を求めることは誰にも止められない。お互いが欲しているものを与え合うことができるすばらしさがそこにある。 だけど欲しても一方がそれを与えることができない場合,求める者は満たされぬ想いが「欲望」という形に姿を変えるのだろう。愛すれば愛するほど果てることのない想いとして。・・ 精神的な結びつきだけで深く愛し合う2人が過ごした南の島でのひととき。読んでいて救われたような気持ちになったが,休暇の終わりに手を振りながら沖に泳ぎ出し二度と戻らなかった正巳と,一人残された類子。2人の心を中を想い図ることはとてもできない。 深く重いテーマでありながら,丁寧できめ細やかな描写が作品を美しいものにしている。小池真理子に脱帽します。
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