“親に捨てられ養護施設で育った。3度の少年院生活、少年刑務所生活を送っていた一人の男が、出所後、大成功を収め、36歳で47の会社のオーナーになり、いまや世界のカジノホテルのVIPとなり、プライベートジェット会社を運営するまでの大金持ちになった。”
前著『
貧乏は完治する病気』を読んで以来、著者・天野雅博氏に興味を抱いた自分が(他2冊も読了)待ち望んでいた新作である。今回は著者自身の少年期の体験挿話が多く語られており、前作にも増して興味深い内容であり、何よりも読み物として面白い。
養護施設や少年院時代の挿話(現在の著者の原動力となる部分)が多分に描かれており、著者が少年時代にいかに物事を捉えて考え、行動していたのかがよく分かる。
天野氏自身、生きるための選択肢がなかったために10代の時から商売を始めて生計を立てるしかなかったのだろうが、それにしてもこの人の逞しさにはただただ頭が下がるばかりである。ピンチになってもどこにも泣きつく事なく(また彼の育った環境がそれを許さなかった)、どん底に落とされてもめげずにひたすら立ち上がる気力と精神力には感服するばかりだ。前著のレビューで天野氏の生い立ちや経歴がまるで『
あしたのジョー』の
矢吹丈のようだと書いたが、今回も失敗や窮地に追い込まれても何度も立ち上がる姿は、やはり同じくダウンしても何度も立ち上がる
矢吹丈の姿に酷似している。
最後に今回最も印象に残ったのが“やる気強奪者”だ。
どん底を見たことのない人は、他人の気持ちがわからないだけではなく、自分の意に添わないことが起こると、すぐに落ち込む。
自分のモチベーション、つまりやる気を自分で管理できず、人にやる気を左右され、常に人にやる気を出してもらおうとする。
恥ずかしながら現在の自分自身にまさに当てはまる言葉なので大変身にしみる思いをするが、その後に書かれた文章には至極勇気付けられ、多大なる感銘を受けた。
残念ながら自分には天野氏のような精神力も行動力も極めてない“やる気強奪者”であるが、少なくとも昨日よりも今日の自分になれるよう頑張りたいと思う。
追記……DVDによる天野氏の肉声も必見です。