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5つ星のうち 4.0
性的漫画に対して読者が求めるもの,
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レビュー対象商品: 欲望のコード―マンガにみるセクシュアリティの男女差 (ビジュアル文化シリーズ) (単行本)
所謂ポルノも含め性的表現を含む漫画について、ジャンル毎に各々の成立過程も踏まえながら、男性向けのものと女性向けのものではどのような差異があるかを、先行研究を振り返りつつ分析・考察した内容です。男性向けのものは、エロ漫画、ロリコン・美少女系・グラビアコミックの3種に、女性向けのものはレディコミ、TL(ティーンズラヴ)、やおいの3種に、それぞれ分類されています。 とは言え、男性向けのものは何れも「視覚」を重視し、そこに描かれた女性キャラクターの「性的快楽」を通じて、読者たる男性がその女性と性的行為を行っているかのような錯覚を持たせるという〈仕組み〉が共通しているという指摘が先ずなされています。 それと比較した場合、女性向けのものがジャンルによりどのような差異があるか、という議論が本書のハイライトということになるのでしょう。具体的には、そこに描かれている「性的身体」或いは性的関係を持つカップルへの〈視線〉、読者の「共感」と「同一化」を導く仕組み、キャラクターの内面のモノローグ、エンディングのあり方などに焦点を当てながら分析がなされています。 さらに、「暴力」「支配−従属」「モノ化」という批判が、従来のポルノに対してはなされてきたのですが、その辺りが女性向けのものではどう描かれているのか、という分析にも一章が割かれています。 本書の立ち位置をはっきりさせておくという意味では、ポルノの定義に関する議論(第1章)、マンガの読解の方法論に関する議論(第2章)はいずれも避けて通れないのでしょうが、手っ取り早く本書の本題(?)を読みたい方は、そこを飛ばして第3章、もしくは第4章から読んでも大過はないでしょうし、性的コミックに疎い読者はそれだけでも楽しめる内容ではと感じました。
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未完成ではあるが、何かとびっくり,
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レビュー対象商品: 欲望のコード―マンガにみるセクシュアリティの男女差 (ビジュアル文化シリーズ) (単行本)
雑誌(いわゆるアダルト系雑誌)の構成、構造から、読者のニーズを探り当て、その原因となる社会的背景を探ろうという試みと位置づければよいのだろうか。まず困るのは、聞き慣れない言葉が出てくること。「レディコミ」(1979年の「BE in LOVE」で始まったカテゴリー)、「TL」(レディコミより若年層狙い)、「ヤオイ」(ヤマなし・オチなし・イミなし)である。 あと、挿絵の引用は雑誌なので、おもしろそうと思っても、どうやって入手してよいか分からない。むしろ、著者がこれをどうやって手に入れたかが気になる。 「戦後エロマンガ史」を読んだときも思ったが、こういうバックナンバーこそ電子書籍化して売れば、たとえ売れ行きはマイナーであったとしても、お金を持った中年以上の購買意欲は地味に強いと思うのだが。 基本的には女性視点の本。 男性は女性の裸に興奮する(あるいは登場人物の男性に同一化)というのは当たり前として、女性が、男性が女性の裸を見ることで見られている女性に自己同一化して陶酔を感じるというのは、男性から見ると意味が正直分からない。 受け身的存在と言うことなのだろうか? 作品中、男性キャラクターが、女性の快楽に奉仕するものと位置づけられているらしいことは、そんなに抵抗感がない。ただ、そう実生活で求められるとすると、どうなんだろうとは思う。 また、レディコミはポルノグラフィとして読まれているが、「ヤオイ」読者は恋愛を求めているというが、恋愛要素のないポルノグラフィも想像しにくいという意味では、あまり、はっきりした境界を示しているようには思えない。 全般的には、とにかくわかりにくく、未完成感の強い本で、自分もよく分からなかったが、視点、テーマはよいと思う。 サブカルチャーであるからこそのつかみ所のなさがある一方、進化、変化のまっただ中にある。 雑誌は読者が求めるものを提供しているからこそ買い手が付くわけで、雑誌の内容から読者の性的なニーズが読み解け、それが社会の何らかの変化、傾向を示しているという視軸を是非突き詰めて欲しい。 自分自身が掴めていないが何か大きなトレンドの波に流されているのかもしれない。 なお、本書で「ヤオイにおいて過激な性描写で知られる雑誌「コミックJUNE」」に限らず、Amazonで入手可能というのは、それはそれでびっくりした。 また、海外でヤオイ人気が急激に伸びていて、コミックマーケットで海外の愛好家が大量に同人誌を買っていることも珍しくないそうだ。
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