幼い頃、自分は性的暴行の被害にあった。
そんな告白から始まる本書だが、そういう書にありがちな、一方的に、「子供に欲情する者は異常だ、排除せよ」というような主張はなく、ただただ、誠実に、そのような感覚を持つ人々の言葉に耳を傾け、その主張、そして、そこに付する情報を綴っていく。
非常に冷静に書かれた書である、ということをまず感じた。
本書で綴られるのは、児童を性の対象とする人々の想い。
性について述べることだけでも憚られる中でも、異端、異常扱いされるところにいる人々の葛藤、苦悩は極めて大きい。そして、それをただ「規制すれば解決する」というような主張、風潮が本当に「子供を守る」ことに繋がるのか? という疑問へとどうしても繋がっていく(著者は、別にそのようなことを主張しているわけではないのだが)
そういう意味で、極めて大きな意義を持つ書だと思う。
ただ、だからこそ、日本における性犯罪の現状などについての統計その他の情報。また、本書の中で何度か意見として綴られる「性描写などの、人間の行動に対する影響」などについての専門家の知見……というようなものもあれば、より一層、深く考える材料になったのではないか、という風に感じる。
とは言え、本書の内容だけでも、充分に考えさせる内容である、と言えるだろう。