数多くの広告キャンペーンを率いていきた
クリエーティブディレクター、
小霜和也氏のコミュニケーション理論を
ざっくりと一冊にまとめたもの。
認知、記憶、購買、言葉、マーケティング、コミュニケーション。
各テーマにそって「ヒトの本能」を拠り所に
独自の理論が語られていきます。
(といっても、科学的な知見もちりばめられています)
なんとなくそうなっているもの、について
なるほどなーとうなずく箇所多数。例えば、
◎ 広告ストーリーは、
商品を効率よく認知させるための情報インフォメーション。
◎ コピーやCMのベクトルが商品に向っていないと「選択的無視」を起こす
◎ ミラーニューロンによって人は、模倣行動をしたがる。
◎ レトリックとは、伝達要素を圧縮するための技術。
◎ コピーとは、未来への約束。ビジュアルでは出来ない役割。
◎ コピーは80%の完成度。残り20%を受け手と商品で補完。
◎ コピーとは、企業と生活者の仲間意識を生み出すもの。
◎ 広告は「製品」に文化的遺伝子をくっつけて「商品」にするメソッド。
などなど。
一方、首を傾げてしまうところも。重箱の隅をつつくようですが、
「シャネル一着買うよりユニクロ百着買う方が気持ちいい。
生活者がお金を使う額は減っても回数が変わらなければ生活者の
気持ちよさは変わらない、これがデフレというものの正体」p177
これは???でした。シャネルとユニクロの満足度の質は異なるし、
ユニクロを買い増していくほど満足度は逓減していくはず…
ちょっとトンデモ経済学っぽいなぁと。
ま、全体を通せば、タメになる話ばかりです。
そう思わせるのは、実は内容もさることながら、
きっと著者の実績からでしょう。
著者が代表を務めている会社のwebを見れば、
どのような考えでキャンペーンを構築しているか。
とても勉強になります。(特にプレステ→XBOX)
また、CSRの一環として、無料の広告学校も主宰している著者。
商品のことを二の次にして、
賞狙いの広告ばかりをつくりろうしている制作者より、
断然評価されるべきだと思います。
この本を読んだからと言って、
広告制作がすぐに上手くなるわけじゃない。当たり前ですが。
「知ってる。しかし、つくれない」
それが、広告。
自分の足りない部分や、考えの浅はかさを、気づかせてくる一冊です。