W杯が終わってヨーロッパ各国のリーグ戦が始まった。「欧州サッカー批評」はこれが2号目。創刊号は「戦術の進化」がテーマだったが、今号ではまさに開幕したばかりのヨーロッパ各国リーグの展望とサッカー事情を特集する。テーマタイトルは「ビッグクラブの戦略、中堅クラブの戦術、小クラブの野望」。タイトルのとおり、インテルやバルセロナ、バイエルンなど優勝を争うチームばかりでなく、イングランド・プレミアリーグのブラックプールやセリエAのブレシャなどの昇格したばかりのチームや、セビージャ、フラム、ボルシアMGなどの中堅チームも取り上げている。
チームばかりではない。プレミアリーグやリーガ・エスパニョーラだけでなく、オランダリーグやベルギーリーグ、アイルランド、セルビアのサッカー事情など、中小国まで取り上げている点が興味深い。アンリのハンド以来、ヨーロッパ選手権に向けて燃えるアイルランド。フランス語圏とオランダ語圏で対立し分離しつつ離れられないベルギーリーグ。今やすっかり中小リーグと化して、ストライカー不足に悩むオランダリーグ。経済危機が進行する中、ヨーロッパリーグはどこも深刻な課題を抱え、かつ発展への模索を続けている。
加えて、W杯南アフリカ大会での活躍が記憶に新しいガーナサッカーも紹介されている。こうして欧州だけでなく、アフリカや南米などの他地域へと対象が広がっていくことは喜ばしいことだ。
巻末付近には、W杯南アフリカ大会の誤審ゴールで思い出した1966年のイングランド対西ドイツのゲームを振り返る「ビッグゲームの真実」やドイツ・ブンデスリーガのチャントを紹介する「欧州のゴール裏から」などの特集もあって興味を掻き立てられる。さて第3号はいつ出るのか。来年初めをまた期待して待とう。