「サッカー批評」の別冊として時々出版されているこの「欧州サッカー批評」の良いところは、目先の順位やスター選手を追うのではなく、欧州サッカーの潮流や戦略について詳しいことだ。この号の特集は、「攻撃サッカー進化論」。中身も、サッカーファンにとってちょっと魅力的なこのタイトルに負けていない。
特にお勧めは、ドイツで注目を浴びているドルトムントのユルゲン・クロップ監督の戦術。この監督の采配と香川のプレーの関係は、「レシーブ&スイッチ」というキーワードの元にかなり詳しく分析されている。
他にも、ジャンピエロ・ヴェントゥーラの4−2−4。ACミランのカルチョ・オフェンシーボのインタビュー。中堅チームであっても攻撃サッカーにこだわり続けるスペインを代表して、ビシャレアルのガリード監督とバレンシアのエメリ監督。バルセロナの戦術検証。プレミアのボルトンの熱い指揮官オーウェン・コイルと、ブラックプールの監督として旋風をおこしているホロウェイ監督。カウンターに強いDFを生む現代のフランスサッカー。
バルサに代表される「美しいサッカーをするチーム」が「強いチーム」と呼ばれる現代サッカーのトレンドを、未来への多少の期待もこめて示している。