この別冊シリーズには、私も大変お世話になっておりまして、どれも中々の出来に到達しています。
入門者レベルの人にはそのレベルで得ることがあるし、ある程度知っている中級者以上には説明されていることの先にある、まだ分からない「何か」に対してそれぞれが考えていく手伝いもしてくれます。
そういう意味で本書も良書なのですが、そもそも私たち人間には「3次元」という我々が認識していきている世界以外の「次元」をまともに想像するだけの能力はあるのでしょうか?
例えば「2次元」といってら「写真」や「絵」の世界を想像しますが、本当にそうでしょうか。
現実問題として「紙の厚さ」+「絵の具・インクの厚さ」、そういったものがある限り、これは「2次元」と言えるのだろうか。
「1次元」も同様で、「糸」のようなものを這いつくばるイメージですが、これとて「厚さ」から逃れることはできません。
「0次元」は「点」だそうですが、純粋な「点(位置だけのこと)」なんて誰も作ることができません。
そうなると、我々の感覚を超える「4次元以上」の高次元など、どうやっても想像できません。
ある物理学者の最新の説明によると、「空間というのは折りたたまれている」そうで、「高次元」はですから折り紙のようにたたまれているそうです。しかし本当にそうでしょうか。
けっきょく私たちの感覚を土台にして、あくまでもその「人間特有の癖を持った思考」から考えるほかないわけですから、PCでいえばハードもOSもアプリケーションも「あらかじめ設計されて人間によって作られた」という機能上の能力上の制限があるわけです。
だから人間の想像力だって、「人間の想像力」を超えることなど出来ないわけなんですね。
そもそも私たちのこの「世界」にしても、「宇宙」にしても、「素粒子」にしても、あらかじめ人間に理解し易いように存在しているわけではありません。
・・・というように、真っ向から「次元」についての理解を否定してしまうようなことを書きましたが、「どこまで考えていけるか」ということこそが「勝負」であるわけですから、本書という良い教材を前にして考えを巡らせていくことにこそ、意味があるのだと思いますが・・・。