出版社/著者からの内容紹介
はじめに
「次世代メディア」という言葉は、やや使い古された感がありますが、本シリ ーズ(次世代メディアクリエータ入門)では、「現時点で普及していないメディ アであって、その将来に魅力や期待を抱かせるもの」と定義します。一般に、次 世代メディアと称されるものの中には、インターネットや携帯電話のように、あ っという間に普及してしまうものと、なかなか普及せず、場合によっては消えて しまうものがあります。
次世代に位置付けられたメディアが普及しない原因の多くは、その最適な使い 方が明確でないことや、コンテンツが不足していることにあると考えられます。 コンテンツの不足は、換言すれば、クリエータの不足といえます。クリエータが 不足している原因のひとつとして、筆者らは、そのメディアを利用したコンテン ツの制作から公開に至る過程をイメージすることが難しいのでは、と考えていま す。そこで本シリーズでは、クリエータやコンテンツの不足している次世代メデ ィアを対象として、コンテンツの制作・公開において必要となる基礎的な情報を 提供するための、実用書となることを目的としています。
第1弾の本書では、画面の前後に被写体を再生する、「立体映像」を用いた表 現を対象としています。立体映像は、最も歴史の古い次世代メディアといえま す。100年以上前から、その将来を繰り返し展望されながらも、現在まで普及し なかったという経緯があるためです。
本書では、主に立体映像の動画コンテンツに主眼を置きました。具体的には、 ビデオカメラで撮影するか、CGソフトで生成した立体映像ソースを、パーソナル コンピュータ(PC)で編集し、完成した作品を家庭用のテレビモニタや大型スク リーンで公開するという過程を想定しています。そのために必要となる知識や技 術について、本書では以下の6章にまとめました。巻末には、本書で使われた関 連用語をまとめると同時に、添付CD-ROMには、立体映像コンテンツの編集や表示 用のソフトウェアもバンドルしました。
立体映像は、クリエータやコンテンツが不足しているメディアだけに、体系的 な制作理論は、まだありません。したがって、立体映像コンテンツの制作に興味 を持つ方々が、自分なりの表現方法を試行錯誤し、ノウハウを蓄積していくため の基本ツールとして、本書をご利用頂ければ幸いです。
■本書の構成
第1章 立体映像の過去と現在 立体映像を取り巻く過去や現在の状況
第2章 奥行き感と立体情報 立体感を表現するための視覚系の立体情報
第3章 立体ディスプレイ 立体映像を呈示するディスプレイの主な方式と原理
第4章 立体映像の撮影 立体映像の撮影機器と撮影上の注意事項
第5章 立体映像の編集 撮影した立体映像ソースのノンリニア編集方法
第6章 立体映像の公開 作品公開時の留意点と規模や用途に応じた機器構成
用語集 本書で使われた関連用語のまとめ
添付CD-ROM 立体映像の編集ソフトウェア 「StereoEdit体験版」
立体映像の表示ソフトウェア 「DepthCharge Viewer」
内容(「BOOK」データベースより)
理論と概要から、撮影の方法、立体画像の編集/表示ソフトウェアの使い方、カメラやグラス(めがね)やプロジェクタなどの機器まで、立体映像作成と公開のすべてがわかる。