週刊ダイアモンドなどに掲載された論説集であるため、話題が雑多であることと、字数に限りがあり、ひとつの話題に対する深堀りができないことで若干の不満を感じるが、相変わらず的確で鋭い指摘は読んでいて心地よい。
韓国の歴史を、日本の被害者であるという一方的な決めつけに基づくのではなく、韓国発展の基礎を築いた植民地時代を客観的に見る視点から見直す動きが韓国内にあることや、北朝鮮からの有力亡命者による拉致に関する貴重な情報、小泉元総理が進めた日本道路公団の民営化が見せかけだけで、実質は旧公団時代と何も変わらないものであることなど、興味深い内容のものも多い。地球温暖化対策の一環である排出権取引が、日本だけに負担を負わせるために仕組まれたものであることにも言及している。
一貫して強く訴えているのは、日本がまともな国家としての外交を行ない、国家として存続していくためには、外交力の裏付けとなる軍事力を確固たるものにする必要がある、という点だ。まずは憲法9条の改正、集団自衛権の行使などによって軍隊として当たり前の行動を取れるようにすることが必要であるという主張は至極真っ当なものだ。
著者のような人物が政治家に多くいたら、と思わずにはいられない。