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檀 (新潮文庫) 文庫 – 2000/7/28


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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

愛人との暮しを綴って逝った檀一雄。その17回忌も過ぎた頃、妻である私のもとを訪ねる人があった。その方に私は、私の見てきた檀のことをぽつぽつと語り始めた。けれど、それを切掛けに初めて遺作『火宅の人』を通読した私は、作中で描かれた自分の姿に、思わず胸の中で声を上げた。「それは違います、そんなことを思っていたのですか」と―。「作家の妻」30年の愛の痛みと真実。

内容(「MARC」データベースより)

壮絶な作品「火宅の人」を世に遺して逝った無頼派作家・檀一雄。その未亡人に、一年余にわたる綿密なインタビューを重ね、取材の過程で微妙に揺れ動く作家の妻の心のひだからもう一つの作家の姿を紡ぎ出す。
--このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 284ページ
  • 出版社: 新潮社 (2000/7/28)
  • ISBN-10: 4101235139
  • ISBN-13: 978-4101235134
  • 発売日: 2000/7/28
  • 商品パッケージの寸法: 15.2 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 杉浦由佳 投稿日 2012/6/7
形式: 文庫 Amazonで購入
先日も書いた、沢木耕太郎「1号線を北上せよ」を読んで関連本を読みたくなった2冊目。
「火宅の人」を、私は題名ぐらいしか知らない。「壇」によると、作家と愛人の放浪の話、ということだし、映画化もされているので(調べたら、1986年に東映で映画化、緒方拳、原田美枝子、いしだあゆみでアカデミー賞受賞作品だった)、話題にもなり、タイトルに聞き覚えもあるのだろう。私の父が、壇一雄の娘である壇ふみがテレビ(例のNHKのクイズ番組など)に出るたびに、「この子はいい子なのに、なんで貰い手が・・・以下略」と言っていたので、なんとなく、そっちの方がイメージ強い。

この作品は、解説を読むまではあまり意識していなかったが、きわめて珍しい人称で書かれた、ノンフィクションともフィクションとも言える作品、なのだそうだ。

この作品は、1年に渡り、石神井の家へ週に1回通い、耳が遠くなってきた壇一雄の妻ヨソ子さんに話を聞いてまとめて書かれたもので、だから語りは、ヨソ子さんの一人称で、基本的には事実とヨソ子さんの心情を綴ったノンフィクションであると言える。ところが、書き手は沢本人ではなく沢木耕太郎なので、そこには、おそらく本人すら意識していない心情のようなものが、沢木耕太郎の手によって書き加えられている。その場合、「私は」という人称であっても、書かれている内容は、「ヨ
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 まる・ち トップ1000レビュアーVINE メンバー 投稿日 2010/8/29
形式: 文庫
 回想録の形を取ったドキュメンタリーであり、家族史小説とでも言えると思う。徹底した聞き取りと裏付け作業が感じられる。
 全体的に白黒の家族アルバムを見るような作品だが、鮮やかな色彩を二カ所で感じた。ヨソ子が檀の暮らすポルトガルで「私を歓迎してくれるように思えた海辺の丘の赤い花々も、いつまでも枯れずに色鮮やかに咲き乱れる姿を見ているうちに、荒々しい海にこびる女性の口紅のように感じられ、鬱陶しく思えてくる始末だった」と言う箇所と、檀の葬式に現れた元愛人を見て「入江さんの口紅の色が鮮やかに眼に入った。ああ、綺麗に化粧をしているな、と意味もなく思った。」の二カ所だ。
 私には主人公のヨソ子夫人は「古い女性」と言う観が拭えない。自分では否定しているが、やはり妻妾同居に甘んじて、家事と子育てをまっとうする事で夫に仕えて矜持を保つような、そんな忍従や芯の強さのある女性だ。だから先の二カ所の表現に「妻である私がいる意味は違うんだ」というような意気込みを感じた。
 そして同時に、そんな妻の支えを期待して甘えてしまっている無頼派・檀一雄を発見する。それをまた「檀に女性の愛情に対する飢餓感のようなものがあった」と受けとめてしまう包容力には、妻の存在を越えた偉大な母性を感じてならない。
 檀は大家族の家長としての役目を全うしながら、自分の振幅を大きく保つことで、そこ
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 かもめくん 投稿日 2003/9/21
形式: 文庫
 沢木さんといえばニュージャーナリズムの旗手というイメージが長くあったし、多くの人が彼の本を手に、世界を旅した事と思う。しかしこの本はそういう読者は手に取らない方がいいかも知れない。檀一雄という作家を妻の視点から辿っていくのだが、その背後には沢木さんの冷静な視線があり、それであるがゆえに、実は誰の思いにも偏ることなく檀とその妻の、特異でありながら、その実ごく普通にも思える愛情の交歓が見られる。これは文学として見事な傑作だと思う。
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13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 sax-com 投稿日 2004/2/16
形式: 文庫
わたしは沢木耕太郎の著書は、3冊程度しか読んだことがないし、檀一雄については「リツ子」のみです。
この本も知人から紹介してもらったものですが、檀一雄を妻のヨソ子の視点からかくというもの。
難しいことはよく分かりませんが、これといった特にすごいことが人生で起こったわけではない。ある意味、淡々と進んでいく。
しかし。心が何度もあつくなります。ストーリーに惹きこまれます。きっと檀一雄そのものの持つもの、そして、沢木さんの手法によるものなんだろうなと思うのですが。
とにかく、いいです。傑作です。
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13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 goomuch 投稿日 2000/11/30
形式: 文庫
私小説ならぬ、他人小説。沢木耕太郎が妻の目になって檀一雄を語る。男の立場からは息の詰まる思いをさせられるが、人間檀一雄を語る上で妻の目以上のものは当然ない。語らない、語れない告白者になりきって代言する沢木の手法は今後も期待したい。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 夢見 投稿日 2007/9/23
形式: 文庫
檀一雄については「火宅の人」であるということだけは知っていました。娘である檀ふみさんが、ことあるごとに父への尊敬の念、思慕を口にされるので、どのような方なのかと思い手にとりました。
まず、「リツ子」さんは檀ふみさんの母ではなく、先妻のことであるということ。その先妻の闘病記と、愛人と家庭との間で揺れ動くさまを書いた「火宅の人」が代表作の私って…という夫人の言葉が、本当に聞こえてきそうでした。
しかしこの本を最後まで読むと、檀一雄という人は、妻としてではなく、恋人を愛するように妻のことを愛していたのだなということがよく分かります。よき家庭人になることが望まれる結婚制度の中で、作家はヨソ子さんのことを、ずっと女性として見ています。これが作家というものなのか、檀一雄という人なのか…本の中ですが強烈な個性を持った男性に出会いました。
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