ひき締まった文体。話がずんずん進んでいく。乾いた緊張感が持続する。
明快な人物像。どういうキャラをどう配置するか、伏線は何、ストーリーのどこに転換を置くかといった作法に、厳しい型があるんだろうなぁ。しかし、著者がその気になったら、どんなセリフでも吐かせられるような気がする。
馮との直接対談は面白い。
また、ライザの悪夢、緑との渡り合いが良い。これも型があるのだろうと思うのだが、なんというか、にもかかわらず、言葉が踊っている。文に埋め込まれた、著者のサスペンスの美学に対する思いが躍動しているような感じがする。
言葉で表すよりないようなことに、大事な情報が込められているような気がする。元々文で読ませるためのもので、だから小説なんだなあと思った。
愛とか正義とか勇気とか、そういうお題目が入り込んでこないのが良い。
塩味に頼らない香辛料だけの刺激。
続編が楽しみだ。