人間が無意識にどれほど利己的か、それによって世界の内側がどう変容して行こうとしているかが機械化病という設定によって浮き彫りにされていると感じました。
それぞれの世代や性別の他人への無理解が綴られていて辛くなる。 みんながみんな、自分を理解して大切にして、より自分に利益をくれと叫んでいる。
みんなが無意識にでもそう思っていれば、巡り巡って自分にも他人からの利益も理解も大切なものも貰えないのに気付かない。
その病のような利己心は人間と世界を蝕み価値観の変容を招く。 自分一人がもがいてもどうにもならなくて、多数に染められ大切な何かを違うものに置き換えられてしまう。
人間の中身が全て機械に入れ替わったらどうなるのか?という一章がこの世界の行く末のエピローグのようです。 生きているか死んでいるか誰にもわからない。機械の仮病。
一人の人間を世界に置き換えて考えてみました。 体(世界)の中身(目に見えない大切なもの)が少しずつ機械(温もりや誇りの無い無機質な価値観)に何者か(社会、多数)によってすり替えられていく。 でも何者かを悪いとは言えない。何故ならそれは病気だから。
"でも"、だからこそ秋田先生。私はこの本を読んで家族や身の回りの他人を大切にしようと思いました。