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機械の仮病
 
 

機械の仮病 [単行本(ソフトカバー)]

秋田 禎信
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

内臓や筋肉の一部が機械化する奇病「機械化病」。病の蔓延に伴って起きる不可解な事件を捜査する2人の刑事がやがて知る真実とは。

内容(「BOOK」データベースより)

痛みも違和感も自覚症状もない「機械化病」。蔓延する奇病をめぐって起きた、不思議な事件とは…?ライトノベルの雄が描く、想像を絶する異世界。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 248ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/11/23)
  • ISBN-10: 4163297707
  • ISBN-13: 978-4163297705
  • 発売日: 2010/11/23
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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人間が無意識にどれほど利己的か、それによって世界の内側がどう変容して行こうとしているかが機械化病という設定によって浮き彫りにされていると感じました。

それぞれの世代や性別の他人への無理解が綴られていて辛くなる。 みんながみんな、自分を理解して大切にして、より自分に利益をくれと叫んでいる。

みんなが無意識にでもそう思っていれば、巡り巡って自分にも他人からの利益も理解も大切なものも貰えないのに気付かない。

その病のような利己心は人間と世界を蝕み価値観の変容を招く。 自分一人がもがいてもどうにもならなくて、多数に染められ大切な何かを違うものに置き換えられてしまう。

人間の中身が全て機械に入れ替わったらどうなるのか?という一章がこの世界の行く末のエピローグのようです。 生きているか死んでいるか誰にもわからない。機械の仮病。

一人の人間を世界に置き換えて考えてみました。 体(世界)の中身(目に見えない大切なもの)が少しずつ機械(温もりや誇りの無い無機質な価値観)に何者か(社会、多数)によってすり替えられていく。 でも何者かを悪いとは言えない。何故ならそれは病気だから。

"でも"、だからこそ秋田先生。私はこの本を読んで家族や身の回りの他人を大切にしようと思いました。
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By くまくま トップ1000レビュアー
 10年ほど前から機械化病が知られるようになった。きっかけは、事故死した女性の心臓にネジがついていたこと。同じ様な事件が頻発し、猟奇殺人かとワイドショーでもてはやされたが、時期にそれが病気であることが分かる。自覚症状もない、少し調べたくらいでは分からない、機能的には全く変わらないし、病気自体は伝染するわけでもない。いつの間にか、中身だけが機械に入れ替わっているのだ。
 この作品は、そんな世界で生きる人たちの、機械化病にまつわるオムニバス・ストーリーとなっている。

 機械化病というのは何の暗喩なのだろうか?はじめは、人と人は表面的には分かりあえても、その内側までは完全に理解することはできない、というような精神的なコミュニケーションのことかと思った。確かにそういう面もあるかもしれない。しかし、特に最後のエピソードを読むと、それ以外のことの方が大きいのではないかと感じた。
 いまとむかしでは、表面的には何も変わっていない。社会インフラだって整備されているし、食料も供給されている。むしろ良くなったくらいだ。でも、知らず知らずのうちに失っているものはないだろうか。そんな問いかけがある気がする。

 機械というのは論理性の象徴だろう。しかし、社会には論理だけで割り切れるものばかりではない。論理を超えた倫理とか、人情とか、義理とか、いろいろなもので社会は成り立っている。それらの機能は論理や金銭で交換できるかもしれない。でも、それをしてしまっても大丈夫なのか。そういうことを言っている気がした。
 だが、中身が入れ替われば、入れ替わったなりのやり方が、ある程度の期間の思考錯誤を経た上、で、生み出されていくのだろう。それが新しい世代、新しい社会というものだという考え方もあるかもしれない。

 タイトルは言葉遊びなのだろうか。少なくとも内容的に説明はなかったように思う。
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By imuygem
タイトルになっている病気そのものの謎に迫るより、機械化病というガジェットによって
現代社会で人々が見ないふりをしている様々な心理―――特に、損得勘定の上で正しいことだけをして
生きていく人々の―――を炙りだすことが目的の作品。どの話も薄皮一枚剥げば人間なんて
機械か肉が詰まってるか分からない、他人のことなどそう簡単に理解できない、という思いが
根底に流れている。連載初期に作者が好きだという安部公房っぽいと思ったけど、彼の人に比べると
奇想奇想したところはだいぶ薄め。ただどろっとした雰囲気はやはり似てるかな。

同作者の作品である「オーフェン」の「……わたし、無意識なんて言葉は大嫌いなんだけど……
人は一般的に無意識という状態を信じてる。時に無意識という言葉に罪を被せ、それを利用する人もいる。
それこそ“無意識”の内にね」という台詞は、この作品の言わんとすることのひとつかもしれない。
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