不思議な小説を書く川上弘美さんの、やはり不思議な句満載の句集。
『センセイの鞄』を思わせる、
秋晴れや先生に酒おごらるゝ
とか、
小説世界のような、
十六夜や川底の人浮かびくる
泣いてると鼬の王が来るからね
初夢に小さき人を踏んでしまふ
黒髪ヲ売リマスとあり路地の秋
アニメ『エヴァンゲリヲン』に取材した、
卯の花腐し少年父を憎みえず
ちょっとHな、
少年の手淫にねむる小雪かな
エロ雑誌捨ててあり春の雨のなか
はるうれひ乳房はすこしお湯に浮く
など、楽しい句集です。その他、気に入った句、
はつきりしない人ね茄子投げるわよ
この夏でバカヤロ日記三年目
小春日の文庫本読むサンタかな
うねりやまず鰻に錐を突きたれど
人魚恋し庭の雷聞きをれば
暴走族旗垂れて幾十夏の浜