まず、本書は公式設定資料集ではないことを先に明記します。
どちらかといえば本書は、「機動警察パトレイバー」の世界で発行された"レイバーのカタログ及びルポルタージュ"と捉えるのが妥当かと思われます。
機動警察パトレイバーは、主に旧OVAからはじまった初期シリーズとTVからの新シリーズに大別され、両者の設定はパトレイバーファンにとっても把握しきれないぐらいに膨大且つ設定や事件にも差異があります。そのためすでに発売されている資料集などでもシリーズ別にまとめられたものがたびたび発行されています。
本書は両シリーズの設定やマンガ版・小説版の設定も参照されており、そこにSF知識・現代技術をミックスした、言わば"いいとこ取り"の世界観を構築し書き上げられています。
受け取る方によっては「これはパトレイバーの同人誌じゃないか」とも受け取れるかもしれません。ですが、前述したように本書は公式設定資料集ではないことは本書冒頭でも編集者からのコメントもされています。かっちりと設定を把握する役割は別の書籍にお譲りして、ある種"なりきりアイテム"として本書を楽しむのがベストではないでしょうか。
ですが残念なことに本書では機動警察パトレイバー全作に登場する全てのレイバーを取り扱ってはおりません。レイバー開発全史とうたっているように、マスプロダクトとしてのレイバーカタログであるため、試作機や個人製作機、カスタムチューンされたレイバーは載っていません。(グスタフやレイバーX、第1小隊仕様大将など)
その例として太田さんの2号機はジオラマ写真に少し写っているもののイラストが存在していません。その点ではシャフトが秘密裏に開発したワンオフ機であるグリフォンなどはカタログに載ることはありえませんが、パトの世界の華のひとつなので目をつむりましょう。しかし、コンセプトとしてどちらかに徹底していて欲しかったため評価を4にさせていただきました。
本書はぜひ密度の濃いパトレイバーファンだけでなく、ミニパトからなんとなく見始めたライトなファンにも読んでいただきたい一冊です。