こんな昔の作品を、今更レビューするのも何だかなーとは思いますが、同じ富士見ファンタジア文庫のパトレイバーシリーズに入っていた押井監督の「TOKYO WAR」が新装なって発売されている事を思えば、いずれパトレイバー25周年とかに再販されるかも知れないので、参考までに。
この本の肝は何と言ってもテレビシリーズ、新OVA、漫画で明かされなかった熊耳武緒と内海課長(リチャード・王)の香港でのラブアフェアの顛末がFILE5「香港小夜曲」にて明かされている所です。が、この小説パトレイバーシリーズはテレビ、漫画のいずれとも繋がらないお話と言う設定らしく(解説でゆうきまさみ先生がそう書いておられます)、ファンにとっては増々混乱に拍車がかかったような気も…。まあ、パトレイバーでそれを言うとキリがないのでやめましょうね。
小説の内容としては香港の描写も詳しく、なかなか楽しいです。ただ1つとても気になったので、もし再販があれば是非校正してもらいたいのが、台詞が全て香港の現地語の広東語ではなく、標準中国語(中国大陸で使われる標準語でいわゆる普通話と呼ばれるもの)になっている点。しかも使っている漢字もご丁寧に中国大陸で使われている「簡体字」。香港や台湾では通常「繁体字」という日本の旧漢字に近い字を使います。また、人名の発音ルビも広東語発音ではありません。王がウォンなのは合ってるんですけどね。
もう1本収録されているFILE6「サード・ミッション」はひろみちゃんのエピソード。悪くはないですが、どうしてこっちを本のタイトルにしたのかは謎。
良くも悪くもパトレイバーのコアなファンで、オシイストでない方向けという難しい作品なので、星3つ。