【新訳】、この言葉の意味を良く考えて欲しい。今回、話題になっている声優の交代などは、そんなに大きな問題はない。1番の問題は物語として成立していないということ。全50話を270分で収めるということでちぐはぐになるということは当たり前のことである。第3部のラストのシーンはテレビ版とは違うということでそこに富野監督の今回のテーマである【新訳】という意味が込められていると推測はできる。ただ今回の最大の失敗はテレビ版Zに固執しストーリーをなぞりすぎたこと。しいて言えばテレビ版Zを別の視点から作り直すべきだったように思える。
皆さんは『超時空要塞マクロス〜愛おぼえていますか』という作品をご存知だろうか。私は『マクロス』という作品をテレビではなく映画で知りました。この映画をDVDで見た時、初めてロボットもので感動を憶えた記憶がある。この作品もテレビ版全36話が前提にはなっているが、今回のZと決定的に違う点は原作を知らない初めて見る人が1つの物語として理解できることであり、テレビ版を別の視点からまとめすべて新規の作画に置き換えて劇場版として出したこの作品こそまさに『新訳』という言葉がふさわしいと思う。
私的な考えだが、1部のファンだけが理解できるものでは、多くの人の共感は得られない。そして映画を見てみたい多くの人々が望むものは、テレビシリーズを無理やりつなげた総集編じみたものではなくZガンダムをテレビとは違った解釈であらわすことが20年たっても色褪せないこの作品への【新訳】ではなかったのだろうか。