絶大な人気を博した「機動戦士ガンダム」劇場版三部作から4年後、1985年に作成された続編テレビシリーズ「機動戦士Zガンダム」の総集編です。
初代「ガンダム」の続編として、この「Zガンダム」は製作されました。
しかしながら、単に『続き』ではなく、舞台を初代の7年後と設定し、戦後、変わり果てた社会の中で、新たな主人公が、成長した前作の主役たちを脇役として従えて登場させる斬新な手法で、作品は制作されました。そのせいもあってか、当時は、必ずしもガンダムのファン層の支持は得られぬまま、1年の放映を終えることとなりました。
しかしながら、よくも悪くも、その後、延々と「ガンダム」が30年近く作り続けられるきっかけを作ったのは、間違いなくこの作品なのでしょう。
「ガンダム」という作品から永遠に「有終の美」を奪った、「Zガンダム」の総集編が、なぜか20年後の今、三部作の劇場版として作成され、その第一弾がこの映画となります。
作品を見た感想だけど、期待通りというべきか、想像通りというべきか、見事にZガンダムの「総集編」でした。
総集編としては100%以上の出来なのだけど、それ以上特には何もないです。
テレビシリーズの十数話分のストーリーを90分に無理やり詰め込んでいるので、テレビシリーズを見たことが無い人には、「何がなんだか?」となることでしょう。(そんな人がこの映画を見に行くとも思えませんけどね...)
また、20年前の映像に新作映像が加えられているのだけど、二つの映像にはかなり違和感があります。違和感がありながら、なんとか見ることができるということで、20年前のスタッフを評価すべきなのかもしれませんけど、映画としてはかなり難があるように思えます。
でも、なんだかんだ言っても、ファーストガンダム世代は必見ですよ。ラストシーンに、グっと来ます。
刻の涙を見ますよ、はい。
あと、この3部作が完成したら、ファースト3部作+Z3部作+逆襲のシャアの合わせて7枚のDVDで、なんとなくガンダムの世界が一望できるようになるので、僕にとってはそれだけでうれしいです。
以下、余談です。
映画を見ながら、なぜ、「Z」はブレイクしなかったのかってことを考えていました。
「二番煎じだから」といえば、100%正解になるんだろうけど、それ以外にもいろいろありますよね。
やはり、決定的だったのは、キャラクターに魅力がないですよね。アムロとカミーユの比較はともかくとして、シャア、ギレンと、ジェリド、シロッコ、バスクを比較すると、どうしても前作に軍配があがりますよね。これが、何よりの理由だと思います。
時代背景や設定がわかりにくいと言われていましたけど、これは、そうでもないと、思います。その辺、所詮はアニメですから、ちゃんとわかり易くロボットが色分けされていますからね。
ただ、今から思えば、この設定って当時の時代背景を良くあらわしていますよね。
ファーストガンダムが製作された1979年は、未だ冷戦の真っ只中にあり、いずれの日か核戦争勃発は、必須と思われいました。逆にいえば、米ソさえ和平の道を歩めば、世界は一つになれると信じられていた時代です。(ただし、誰もが冷戦の終結が訪れることはないと思っていましたよね)そんな時代に予測されたの未来の姿が、地球連邦政府によって統一された地球圏という形になったのでしょう。
これが、Zが製作された1985年になると、ペレストロイカを翌年に控え、ソ連の体制に綻びが見え始め、なおかつアフガニスタンでは、クーデターが勃発した時代です。この頃は、冷静後という世界が意外と早く訪れ、それは統一された地球ではなく、地域紛争が勃発するカオスのような世界となるかもしれないという、予感を抱くようになっていた時代です。どことなく、Zの世界観に、この時代背景が投影されているような気がしました。
最後に、消えてしまったセリフ、ストーリーいろいろありますけど、
「我々、エゥーゴだ停船命令には従えない」
このセリフがなくなったのが、惜しいです。
初めて、エゥーゴが自らの名を名乗るシーン。これがないと、話は始まりません。