最も参考になったカスタマーレビュー
49 人中、46人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ガンダムらしいガンダム, 2004/2/1
レビュー対象商品: 機動戦士Vガンダム DVDメモリアルボックス (DVD)
「子供は戦艦のようなものが好きなんだよ。あなた(富野監督)にはそれがわかっていない。戦艦大和みたいなのがでて、カメラがガーッとまわりこむような絵は、格好いいじゃないですか。それと、戦隊物的なのもやってほしいな」 「ガンダム五機をそろえて出せということですか」 「そうだ」 「なら、地上をはしる戦艦というのも出しますよ。それでもいいんですか?」 「いいじゃないですか」 「タイヤ履かせますよ。戦艦に」 「やってよ」 Vガンダム制作前に富野監督と担当重役との間でこんな会話があったそうだ(『ターンエーの癒し』ハルキ文庫)。振り返れば、ガンダムの歴史は、この会話に表されるように、アニメを玩具のプロモーション程度にしか考えていないスポンサーと、それに抗うクリエイターのせめぎ合いの歴史だった。商業主義の圧力に対して、富野由悠季や安彦良和のような豊かな原体験とみなぎる反骨精神をもったクリエイターが、少しでもいい作品を創るべく「なにくそ!」と奮闘した結果、ガンダムという傑作が生まれた。そしてこのVガンダムにも、その苦闘の痕跡がうかがわれる。 13歳の少年、ウッソに頼らざるを得ない大人たちの忸怩たる思い。大人たちは手を血で汚しながら、それでも世界を変えてやろうと、子どもたちに何かを残そうと苦闘し、子どもたちは数々の悲劇を乗り越えて懸命に生きていく…、この作品は、混沌とした人の生き様を通じて、新しい世代へ精一杯のエールを送ろうとしている。登場人物の苦闘は、そのままクリエイターたち自身の苦闘だろう。確かに瑕はあるかもしれないが、逢坂浩司や千住明の素晴らしい仕事はその瑕を補って余りある。ガンダムらしいガンダム、これは全ての世代に薦めたい作品だ。 ちなみに本製品は、カトキハジメのイラストをあしらった超美麗ボックスをはじめ、見事なアートワーク、庵野秀明らが寄稿した解説書も付属しており、まさにファン必携といえる。
68 人中、62人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
シリーズ最高傑作, 2004/5/6
By カスタマー
レビュー対象商品: 機動戦士Vガンダム DVDメモリアルボックス (DVD)
ガンダムシリーズ中、最も賛否が別れる作品です。 これまでの(宇宙世紀の)時系列を無視したとしか思えないメカデザイン、当時としても粗さが目立つ作画、グロテスクなまでに絡み合う人間達が織りなすドラマ……「綺麗なアニメ」が氾濫する現在では、到底受け入れられないものかも知れません。 ですが、Vガンダムの物語が持つパワーは、それら全てを吹き飛ばす程の巨大さと強烈さを持っています。 決して気持ちよくはない世界、でも目が離せなくなってしまう世界。Vガンダムの世界はそういう「人を惹きつける何か」を秘めているのです。 見た人誰もが好きになれるアニメではありません。それは断言してしまっても良いでしょう。しかし、見た人全ての心に何か強烈なものを残してしまう。そんなアニメがこれまで幾つあったでしょうか? 観る者に向かって、これほど真摯に問い掛け迫ってくる作品は、過去にも稀であり今後登場する可能性も低いでしょう。 故に敢えて、本作をガンダムシリーズの最高傑作に推します。
104 人中、93人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
リアルなミリタリーアニメではなく戦争ドラマです, 2003/12/15
By カスタマー
レビュー対象商品: 機動戦士Vガンダム DVDメモリアルボックス (DVD)
ひたすら地味な作品です。最近ガンダムといえば山ほど出てくる 美形・美少女はあまり出ません。画面的な派手さもあまりありま せん。メカアクションもあまり派手ではありません。(前半は特に) そもそも最初の設定のゲリラVS正規軍という構図が地味です。 ですからそれを期待して見ると肩透かしをくいます。 どういうことかというと、 初め唯一二枚目な役どころと目されていたクロノクルはシャアのような 貴公子然としたライバルではなく、周りの状況に抗おうとするが結局 飲み込まれ、後半はカテジナに良いように使われる存在に成り下が っていく普通の無力な青年です。 一見男性ファンを引き込むために出したと見られるシュラク隊の 隊員も、次々と死んでいきます。感情移入する間も無く とてもあっさり死んでいくのです。中には、え?そんなのアリ? ってな死に方のキャラもいます。 主役メカのビクトリーガンダムも、ヒーロー然としたメカではなく、 とにかくよく壊れます。さらに量産されているのですぐ直る。 今までのガンダムの様に主人公だけの特別な機体という印象が薄いです。 なんだか欠点をあげつらっている様に見えますが、それは逆です。 実際に映像を見ると私の書いていることがほめ言葉だと感じるはず です。 かえってそれが戦争の悲惨さを最もリアルに表現しています。 そこが魅力なのです。無意味に人が死んでいく戦争というものを、 とてもわかりやすく表現した作品だと思います。 今この不安な国際情勢だからこそ、この作品を見る意味がある。 そういう作品です。 ZといいVといい富野監督は本当に先見の明がある人だと思います。 放映されたのが今年ならば、もっと違った評価がされたと思います。 この発売を機に再評価を求めたい早過ぎた名作なのです。
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