ひたすら地味な作品です。最近ガンダムといえば山ほど出てくる
美形・美少女はあまり出ません。画面的な派手さもあまりありま
せん。メカアクションもあまり派手ではありません。(前半は特に)
そもそも最初の設定のゲリラVS正規軍という構図が地味です。
ですからそれを期待して見ると肩透かしをくいます。
どういうことかというと、
初め唯一二枚目な役どころと目されていたクロノクルはシャアのような
貴公子然としたライバルではなく、周りの状況に抗おうとするが結局
飲み込まれ、後半はカテジナに良いように使われる存在に成り下が
っていく普通の無力な青年です。
一見男性ファンを引き込むために出したと見られるシュラク隊の
隊員も、次々と死んでいきます。感情移入する間も無く
とてもあっさり死んでいくのです。中には、え?そんなのアリ?
ってな死に方のキャラもいます。
主役メカのビクトリーガンダムも、ヒーロー然としたメカではなく、
とにかくよく壊れます。さらに量産されているのですぐ直る。
今までのガンダムの様に主人公だけの特別な機体という印象が薄いです。
なんだか欠点をあげつらっている様に見えますが、それは逆です。
実際に映像を見ると私の書いていることがほめ言葉だと感じるはず
です。
かえってそれが戦争の悲惨さを最もリアルに表現しています。
そこが魅力なのです。無意味に人が死んでいく戦争というものを、
とてもわかりやすく表現した作品だと思います。
今この不安な国際情勢だからこそ、この作品を見る意味がある。
そういう作品です。
ZといいVといい富野監督は本当に先見の明がある人だと思います。
放映されたのが今年ならば、もっと違った評価がされたと思います。
この発売を機に再評価を求めたい早過ぎた名作なのです。