前巻でユニコーンガンダムと共に大気圏を突入し、地球に降下したバナージ。
地球では袖付きのガランシエールクルー達と行動を共にしますが、本巻の見所は、この際にジンネマン艦長と過ごす、サハラ砂漠での過酷な数日間と言えるでしょう。
思えば、甘ったれ炸裂だったアムロ・レイが、戦士へと変わって行くきっかけを作ったのは、根っからの戦争職人である漢=ランバ・ラルとの、砂漠での出会いでした。
バナージもアムロ同様、状況に介入しつつある自分と、それに抗う心の葛藤を抱えますが、葛藤を乗り越え、やるべき事の前に自分を殺す「大人の覚悟と振る舞い」をジンネマンから感じ取り、自らの運命を受け入れる覚悟を決めたようです。
吹っ切れたバナージは、自らの心を貫く強さを身に着け、周りの大人はおろか、NT-D発動中のユニコーンまでをもコントロールする程に、成長します。
さて、もう一つの見所はやはりブライト艦長の登場でしょう。
思えば、シリーズを通して出続けている人物は、この男だけ。
(鈴置氏が鬼籍に入った今、映像化された時の事を考えると一抹の不安を覚えてしまいますが…)
相変わらずの連邦の論理によって、今も政治とは無関係の軍人生活を送っていたブライトですが、ユニコーンの大気圏突入と共に、再び表舞台に呼び出されます。
この男も、ダグザやジンネマンと同じ、『世間』を生きる大人の男として、物語に色気を添えているのですが、思えばZ以降、理不尽な扱いをグッと耐え続けていたブライト。今も全く変わっていないようで、なぜか安心してしまいました。
ところで、ブライトと共にアムロ・レイの名前が登場するシーンがあります。
ここは少し寂しい気持ちにさせられたかなぁ。
ブライトは、私達ファンが認めたくない現実と共に、今を生きているのでした。