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機動戦士ガンダムUC 1 ユニコーンの日(上) (角川コミックス・エース 189-1)
 
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機動戦士ガンダムUC 1 ユニコーンの日(上) (角川コミックス・エース 189-1) (単行本(ソフトカバー))

福井 晴敏 (著)
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 234ページ
  • 出版社: 角川書店 (2007/9/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4047139696
  • ISBN-13: 978-4047139695
  • 発売日: 2007/9/26
  • 商品の寸法: 18 x 12.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (29件のカスタマーレビュー)
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機動戦士ガンダムUC 1 ユニコーンの日(上) (角川コミックス・エース 189-1)
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5つ星のうち 5.0 ”普通の現実”を描ける”正統派”ガンダム, 2007/9/27
 富野氏のガンダムを見ていた世代が、今では社会に出て30代後半から40代になり、社会を動かす最前線に立っている訳だが(私は36歳になるが)、その私達が現在作られているガンダム等を見ていてまず思うのは、「今の製作者の多くが、アニメ漬けで育った、”大人”と”社会”をリアルに表現できない”オタク”」ということである。
(富野氏は以前から、そういう現状を手厳しく批判していたが)

 10代の少年少女が主人公である点は昔と変わらなくとも、その「子供」がもっともらしい理由があっても簡単に指導者のような立場になり、「世界を救ってしまう」といったストーリーに違和感を覚えた、私と同世代の大人は多いのではないだろうか?
 私の同世代の多くが今では現実社会の中で、組織の中間管理職などで苦労していると思うが、人を、社会を、組織を動かすということが、いかに巨大で困難なことかを日々実感しているはずだ。

 そして、アニメに描かれる”彼ら”の言動が、余りにも”キレイすぎる”ことに違和感を持ちはしなかっただろうか? ”彼ら”の言動に、ハッキリと正誤の白黒がついていることが多いことに違和感を持った方も多いのではないだろうか?
「世の中って、そんな単純なものじゃないよ」と歯がゆく思ったことはないだろうか?
(※ネット上で見る若い世代のアニメ感想等を見ると、やたらと”黒い”とか”汚い”とか、簡単に道徳的善悪論で判別してしまう見方が多いことに気づく)

 一方で目立つのが、そういった作品群に描かれる”大人たち”のステロタイプなチープさである。
 彼ら製作者はアニメ黄金時代に少年期を送った私たちの同世代なのだが、恐らくアニメ漬けで育ってその業界に入り、市井の一般的な生活体験に乏しいのだろう。”普通の大人と社会”というものがまったく描けていないのである。
 登場するのは、”パターン化され、善悪いずれに属しても言動がキレイ過ぎる美少年美少女”と”まるで背景記号のような大人たち”だけだ。
 
(※ただ一方でこれらは、今の私達大人が、若い世代に対して、”現実に存在する潔い大人像”を現実に見せてこなかったことに対する”痛い”結果でもあるのだろう。
 1970〜80年代、「新人類=ニュータイプ」と呼ばれた私たちの世代も、結局は青少年期には冷ややかに見ていた筈の”普通の大人”以上にも以下にもなりえなかったことの証左でもあるのだ)

 まがりなりにも、青少年期を脱して実社会に出た”大人達”から見れば、人間というものは、単純に美しくも綺麗でもないし、一方で極端に”黒く”も”汚く”もなく、その間をフラフラと行ったり来たりしながら、格好悪く、しかし一生懸命に、日々を”生臭く”生きていく生き物だと知っている訳で(だからこそ、人間は悲劇を、或いは喜劇を繰り返す生き物なのだが・・・)、”アニメ”に描かれるような”綺麗さ”も”汚さ”も現実にはありえないし、そのようなもので世界は動いていないと痛感するのである。

 富野作品が画期的だったのは、そして富野ガンダムが魅力的だったのは、私から見れば別に”戦闘シーンや兵器がリアルでカッコイイ”などということではなく、そこに登場する人間たちが異様に生々しく、煮えきらず、エゴイスティックで、”生臭かった”からだ。
 そこに描かれる人間たちの”業”の生々しさにこそ、私は(或いは私達は)惹かれたのだ。

 前置きが長くなったが、作者の福井晴敏氏が一部で富野監督の後継者と目されるているのは、そういった”ナマの””現実の”社会と大人を書ける力量があるからだ。
 主人公は少年少女であっても、ガンダム・ユニコーンをはじめ福井作品の世界を動かしているのは、現実の”特別カッコよくもなく、良い人でもなく、一方で悪人でもない”普通の大人たちであり、だからこそ生まれる悲劇、人の業の悲しさを”富野由悠季の弟子”に恥じない表現力で描いている。
(※と同時に、ガンダムのメッセージ性は、少年少女たち新しい世代に希望を託する性格を帯びてくるのだが、それが危険な”諸刃の剣”であったことを、我々の世代は90年代以降に起きた様々な事件を通して実感している。
 富野氏は、ガンダムエース創刊号において、「こんな本(※注 ガンダムエースを指して)を読んでいてはダメだ!(=現実の世界に戻れ!)」と富野氏一流の表現で、警鐘を鳴らしている)


 最後に、本の装丁にはクレームを付けたい。

 まるで”コミックス”並みの安い装丁の表紙と作り。だから、小説なのに「コミック・コーナー」に置いてある。
 内容は素晴らしいだけに、2,000円を超えてもきちんと重厚な表紙とハードカバーで、新書として文芸欄に並べられる本にして欲しかった。
 せめてもの抵抗で”文芸カバーバージョン”を買ったが・・・宮部みゆき氏の推薦文が短いが素晴らく、最低限の慰めにはなった。

 曰く「ガンダム? モビルスーツ? いえいえ。将来の若者に向けた”戦争と平和”ですよ・・・」。
 簡潔に素晴らしい評だと思う。ガンダム市場の加速する”オタク化”に一石を投じる良作である。 
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60 人中、43人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 大人のためのガンダム, 2007/10/12
By ポンポコペン - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
「逆襲のシャア」から3年後の世界。
物語序盤、主人公のバナージ=リンクスはエレカに乗り、コロニー外壁を伝うリニアカーに乗る。
この描写は、Zガンダムの第一話における、カミーユ=ビダンの登場シーンと重なる。
そこがバナージがカミーユ=ビダンの再来と言われる所以でもあろう。

西暦から宇宙世紀に暦が変更されようとする、まさにその時から物語は始まる。
作り話でありながら、科学考証やこの時代の物理学設定の丁寧さもさることながら、
妙な現実感を伴う描写力に、近い将来ありうるかもしれない世界に対する錯覚を覚え、
旧ガンダムに夢中になったとき以来の興奮を覚えた。

特に、ミノフスキー粒子のことは理解していたにしても、
なぜ宇宙空間での兵器が人型をしていなければならないのかは理解していなかった。
人型であれば手足が動かせるぶん、作用反作用の法則で姿勢制御に
スラスターを必要とせず、省エネで有利であることで少し納得した。
(しかし、地球でMSが使用される理由はこれでは説明がつかないが…
地球ではやはり航空機で十分と思える)

テレビシリーズでは深く描かれることのなかった「宇宙世紀」という
世界観の細部にわたる描写に、福井 晴敏は成功している。
小説中に使用される日本語の美しさもさることながら、子供だましでは満足できなくなった
旧ガンダムファンの要求を汲み取って、的確に捉えた企画だと思う。
まさに大人のためのガンダムである。

話は逸れるが、ニュータイプという人種は、仏教に通じるものがある。
仏典に書かれた六神通力の能力、第六感や七感、八感が研ぎ澄まされたような、
英語的な表現をすればリモート・ビューイングやマインド・リーディング
を連想させるNT能力は、仏陀の説く真理をジオン=ズム=ダイクンが
ニュータイプ=「人の革新」と言う表現で再発表したものではないかと
妙に感心したりする。

ニュータイプ能力に関しては、霊能と良く似ていることがあることは
前々から思っていたが、今作に登場するMS「クシャトリア」はインドの
カースト制度のいわゆる武士階級のことで、釈迦もクシャトリア出身
だったことから、以上のことを連想したのだが…蛇足だが付け加えておく。
本編でも、人間の五感、それを超える六感、解脱へと言及しており、
仏教を意識させる。

キャラデザインが安彦良和というのも、本家の血統を正統に受け継ぐ
ガンダムとしてお薦めできる。小説も福井さんの方が語彙豊富で、
富野監督よりも上手なので、なお良いでしょう。
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40 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ファンにとって『待ってました!』の作品になるでしょう!, 2007/11/1
By TKY (東京都文京区) - レビューをすべて見る
いやぁ、これはガンダムファン、特にファーストファンなら必読の書です。
ファースト・Z・ZZ・逆シャアに加え、現在連載中のCDAも加えると、既に完成の域に達した感のあるオリジナル。
そのオリジナルを尊重するが故に起こる、
『もう手の加えようがないのでは?』という疑問。
一方で抑えきれない『終わらせて欲しくない!』という欲求。
この一冊は、そんなファンの矛盾した心理に、見事に応えてくれる事でしょう。
僕は、これこそ壮大なガンダムサーガを完結に導く、最後の1ピースだと確信しました。

物語は前世紀(AD)の最後の年に起こったある陰謀から、一気に『シャアの反乱』の3年後にジャンプしますが、
この陰謀が、僕らが知ってる一年戦争からシャアの反乱に至る歴史の背景に、
非常に大きな影響を与えていたようです。
(詳細はまだ明らかにされていません。う〜ん早く知りたい!)。

また、ここまで読んだ限りでは、最後まで残されていたいくつかのミステリーも
解いてくれるのではないかと思います。
特に、ファーストから出ていた『あの子』の行く末には本当に嬉しくなりましたし、
前世紀(AD)からUCへ移行する時の社会情勢や政治的背景の描写については、
ファンの高度な知的欲求を満たす事請け合い。
個人的には、良くぞここにスポットを当ててくれました!という感じで、本当に嬉しかったです。

物語はまだ始まったばかりですが、これは恐らくガンダム史上に残る大作になるのではないでしょうか。
とにかく早く次が読みたいですし、この先に予定されているだろう映像化が、今から本当に楽しみで仕方がありません。
色んな意味で、30代後半を中心としたコアなファンの欲求に応えていると思います。

もちろんストーリーも良く出来ていて、特別なガンダムへの思い入れがない人にとっても
十二分に楽しめる、一級のSFエンタテイメント小説と言えるでしょう。
読者を引き込み、目を釘付けにしてしまうストーリー展開に加え、
まだ訪れていないはずの未来を覆い尽くす厳然たるリアリティは、圧巻の一言。
読者は、我々の未来が実際にこうなるだろうという一種の錯覚を覚えながら、
物語を読み進める事になるでしょう。
そしてそのリアリティは、アニメの描写を解説する役割をも果たしていて、ファンにとっては
『ああ、だからアニメではこうだったのかぁ!』
というトリビア的な楽しみもあると思います。
いや、ホントに凄いですよ。

という事で、当然☆五つです!
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