シャアの過去編もこれで3冊目となります。
ただ単純に若き日のシャア(本編でも十分若いですが)を描くだけに留まらず、ジオンの成り立ちからザビ家の台頭、ザビ家の確執、MSの開発、シャアやガルマの軍人としての訓練学校、そしてジオンと連邦の軋轢などを掻い摘んで描き、ラル、ハモン、ドズルなどの本編でも敵ながらも存在感があり、血の通った人間として描かれていたキャラクター達がイメージを壊す事なく掘り下げもされています。
過去にもガンダムの漫画は幾らでもあるのですが、所詮は二次創作のイメージが強かったのですが(ファンには申し訳ありませんが、初代からZを繋ぐ北爪氏の漫画がこれに当る)、現在の9〜11巻は漫画の完全オリジナルながらも先述のような印象を受けません。これは一重に安彦良和という、初代ガンダムオリジナルスタッフである事、そして漫画家として一流である事が大きく感じます。
そして、このオリジンを描くまでには、歴史小説や伝記そして政治色の強い漫画も多数手掛けており、それが9〜11巻を描く大きな下地になっているように思いました。