オデッサ編もこの後半(本巻)で完結。
前半同様、後半も新しい解釈によるストーリー展開が繰り広げられますが、
これが非常に良く出来ていてます。
もちろんこれはアニメにあったいくつかの設定に無理があったので、
そこを作者が現実的な線に書き直した、という所もあるのでしょう。
(特にエルラン中将スパイ発覚の経緯や『水爆空中分解斬り』など)
それに加えて、現実の軍事技術的な背景も織り込み、それがストーリーをさらに重厚な
モノにしていて、コアなファンにも恐らく自然に受け入れられると思います。
印象としては全体的に一気に展開がスピーディーかつスリリングになり、
壮大なオデッサ大陸大反抗作戦の激しさが伝わって来るような仕上がりに。
特にスパイ発覚に至る部分では、アニメではあまり存在感のなかったレビル将軍が
いかにも歴戦の猛者らしい、軍人としての鋭さを発揮していて、
その大物ぶりがすごくカッコいいです。
また、アニメではサイド6宙域で覚醒したアムロのNT能力ですが、
それをこのオデッサ作戦にもってきました。これがまたカッコいい!
アニメではいつの間にか覚醒していた感じで、ちょっと唐突感もありましたが
本巻では覚醒に至る経緯にもうまく触れています。
それがいかにもアムロっぽく、この辺はアムロの性格までしっかりと掴んでいる作者
ならではの仕上がりじゃないでしょうか。
こういった人間心理の描写はさすがですね。
覚醒したアムロはもはや伝説の剣豪、宮本武蔵!いやホントに良いシーンです。
さらに特筆すべきはオデッサ作戦での重要キャラであるマ・クベ。
彼が軍人としても骨董品コレクターとしても、非常に質の高い人間に描かれていたのが
印象に残りました。
早くも登場するギャンの大活躍ぶりとも合わせ、アニメでは考えられないぐらいカッコいい。
従来の面白キャライメージをすっかり払拭してしまいました。
マ・クベ本人もきっと喜んでいるでしょう。
とにかく、マ・クベ+ギャンのコンビ、登場シーンは短いですが、壮絶な最後を遂げ、
読者に強烈な印象を残します。
これで、テキサスコロニーでのガンダムとの死闘がなくなる事になりますが、それを補って余りある男っぷり。
ああ、もちろんあの名(迷?)セリフはお約束ですからご安心を(笑)。
というより、アレは決して我々視聴者を笑かすために言ったのではなく(当たり前ですが)、
むしろそこには地球の文明を愛してやまないマ・クベの、悲痛な想いが込められていた…!?
という事で、本巻も大変、楽しませてもらいました。
次巻もどのような展開になるのか、本当に楽しみです。