大気圏降下中ストライク回収を決断したため、
予定の着地点がアラスカからアフリカの砂漠へと
変更します。
艦長のあってはならない情のこもった選択により、
一行は砂漠の地で「砂漠の虎」と対峙し、
その戦闘に勝利し、海へと出ます。
第二巻の筋はだいたいこの通りです。
大切なことを守るための戦いはやめてはならない、
許される、尊いという戦いを肯定する旋律があります。
しかし、この旋律の後を、戦いはどこで終わるのか、
どれだけの人を殺したら戦争は終わるのか、
と戦争に懐疑的な旋律が追いかけます。
このフーガが作品の底を静かに走り続けています。
ぞっとしたのは、フレイが復讐を達成するために
自分の体をキラに委ねたところです(55-60頁)。
つまり、自分の体をなどどうでもいい、
自分の体を犠牲にしてもよい、と人間は思い始めると
簡単に他者を殺すことができ、戦争を起こしてしまいます。
戦わないことでこそ、人間として生きていけるという
竹田青滋プロデューサーの考え(282-283頁)は
自己を自ら傷つけてもよいと言う人々への返答と
なっているように思われます。