純粋に"よい"。―本当にそういう感想しか出てこない。
4人それぞれの魅力が炸裂するガンダムマイスターがすべてと思われる
ソレスタルビーイングであるが、そのまさに脇役といえる一般人である
沙慈クロスロード。しかしシリーズ二期を迎え、その存在意義が俄かに
クローズアップ。注目度もアップということで、今回満を持して新たに
このVASシリーズのニューラインナップとして加えられたというところか。
誠心誠意で控えめな入野自由自身のキャラクターがそのまま乗り移ったかの
ような趣を感じる沙慈であるが、実際、元恋人ルイス・ハレヴィとの戦場での
再会などを経て彼自身の辿る「無関心からの脱出」が白眉な本作サイドエピソード
であったのだが、実際地味ながら、そのひたむきな心が無重力に捕らえられた
恋人の魂を開くに十分であったことを、本マキシ2曲を聴き感慨を持って思い返す。
超人でも達人でもない凡庸だが噛めば噛むほど味の出る沙慈というキャラクターは、
むしろ視聴者に最も近いリアリティにあふれた存在だったという気がする。
DEEN手掛ける楽曲のクオリティの高さもさることながら、穏やかであたたかなバラード
「VOICE〜ここから始まる愛」。そして明日への希望に溢れた「Paint the sky」ともに、
入野自由の歌の上手さが実に素直に表現された真摯な良曲。沙慈というキャラクターに
これ以上ないほどに寄り添い、それでいてそれを越えるような入野自身の表現力の豊かさに
聴き惚れる。やはり人柄は歌声にも表れるのだろうか。そんな真実をふと信じてみたくなる。
沙慈という存在を一言で表せば「飾らない真心」―その名の通りの慈愛に縁取られた想いで
歌われる2曲に文字通り心が洗われる。それは内なる静かな戦いであり同時に限りない包容力。