機動戦士ガンダムの長編コミカライズ、単行本第1巻の発売から数えて11年目でついに完結。ほぼ年に1巻のペースでここまでたどり着いた。
最後の一巻はソーラレイ照射後のア・バオア・クー戦を丸々一冊かけて緻密に描写している。アニメ(劇場版)のシーンに忠実に、所々に他の近藤ガンダム作品に登場した人物やメカ(ブラウン軍曹やゲイツ大尉、MAブラン)を登場させるファンサービスもある。
ガンダムのコミカライズといえば、作品世界を初手から再構築した安彦ガンダム(ジ・オリジン)の評価が高く、連載誌も異なる近藤ガンダム(0079)はとっつきにくい人物描画も手伝って影が薄い印象がある。
しかし、近藤ガンダムの真骨頂はメカニックイラストレーター、戦記マンガ家としての近藤和久にあり、その緻密で合理的なメカ描写にある。まだまだ売れてる画集「クロスオーバー・ノートブック」シリーズでも見せているリファインされた合理的なMS、端役に過ぎない突撃艇や各種戦闘車両、戦闘機の全面的なリファイン。最終巻ではメカのでないコマはない、というぐらいMSと艦艇の大盤振る舞い。
映像版ガンダムのメカ描写に物足りなさを感じる人には最適のシリーズ。人物描写に重きを置いた安彦ガンダムと対照的にメカ描写に重きを置き、テレビ版(劇場版)に忠実という意味でも対照的でもあるこのシリーズ、完結を機に未読の人はオリジンと比較しながら読んでみるのもいいかもしれない。