この作品は「戦争の大義」を理解しつつも無意味な殺戮を嫌う「嫌戦」観がメインテーマです。様々な要素テーマをたった11話に収めようとした苦労が感じられ、素晴らしい仕上がりを見せています。本巻はこの作品4巻の面白さを十分に期待させるテンポの良さであっという間に3話が進んでいきます。
第1話「二人だけの戦争」では、「出会い」がメインテーマです。極限状態の中で「無意味な殺し合い」に疑問を持ち、相手の素顔がステレオタイプの敵兵ではなく人間的な「優しさ」があることに気が付きます。このあたりから「反戦」というよりも「嫌戦」といった感じが伺えます。
第2話「密林のガンダム」では、「経験」と「信頼」がメインテーマです。しかし「経験」が無ければ「実績」で「信頼」を勝ち取るしかありません。陸戦型ガンダムの性能が「経験」を補えるのでしょうか?
第3話「信頼の限界時間(タイムリミット)」では、地元の「ゲリラ」の存在がテーマとなっています。敵の重要な人物であるノリスが初登場するザクとの水中戦も見所のひとつです。
この作品はOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)4巻だけが魅力の全てではありません。是非、DVD「ミラーズ・レポート」やCD収録の6話や小説3巻も併せて観賞してください。特に小説にはキキに襲いかかる過酷な運命も描かれています。R指定がついてしまう事を考えて映像化をしなかったのでしょう。戦争の醜悪な側面も含んでいる陰鬱な作品であり単純な「反戦」モノではありません。「希望」への答えを単純に「愛」として終わっていないところにこの作品の価値があるのでしょう。