ガンダムにはまってかなり長いですが、この本の存在を知ったのは3年程前です。
読後に「なぜもっと出版社は宣伝しないの!」と腹立たしく思いました。
「好きだけど好きではない」という矛盾した思いを抱いた劇場版「逆襲のシャア」でした。
(そして小説「ベルトーチカ〜」にいたっては拒絶感を覚えました)
やりかたはどうであれ、信念をもっているシャアに対して、アムロの存在が薄いためです。
映像に関しては時間の制限。
そして「ベルトーチカ〜」に関しては「そういうキャラ」と解釈していますが。
このハイ・ストではアムロの考えていること、やりたかったことが丁寧に書かれています。
現代で言えば、1st冒頭のアムロは「オタクでヒッキー」と表現できるでしょうか?
そんな彼が、大きな理想を持ち、政治家を志す人間にまで成長したことにまず驚きました。
彼の掲げた「内部革新」は確かに理想論でもあります。
しかし理想とて行動を起こさなければ絵に描いた餅です。
ジオンの残党狩り・シャアの捜索の傍ら、理想を現実とするために奔走する姿を見れば、
彼の決意の固さ。机上で言葉遊びのみを弄する夢想家でないことが分かります。
「成長したアムロ・レイ」を知っているか否かで、映像の観方は大きく変わります。
女性からはアムロの巻替りの女性遍歴が不評のようですが「一年戦争の英雄」という肩書きを思えば、
女性も多く寄ってくるだろうし、関わった女性たちに対してもかなり誠実な接し方をしていたと思いますよ?
ことに女性をコマや道具としてしか扱っていないシャアとは比べ物にならないくらい(笑)
そして。
シャアの、真意はともかく発狂したカミーユへの言葉。
アムロの、ハヤト・カツを失ったフラウへのやりきれない気持ち。ハサウェイとの対面に向かうブライトへ見せた嫉妬心。
映像や「ベルトーチカ〜」にはない描写もあります。
映像だけ観ても、なぜ二人があれほどまでにすれ違い、戦争に至るのかわかりません。
映像のスピード感をだすために「大幅に削った」そうです。
戦争が起きるにしても社会・経済状況、思想、利権に与ろうとする人など。複合的な要素が背景にあります。
それを知るために「解説本やWEBサイトで読む」という方法もあるのでしょうが。
旧作キャラのことも交えながら、各々の心情・背景が丁寧に書かれている作品です。
是非ハイ・ストリーマーを手に取ることをオススメします。