「同和利権の真相」などで知られる筆者が、橋下徹知事とその改革の内容を批判した本。
橋下知事に関して、大阪府財政の問題や、福祉削減、同和事業、メディアとの絡み、教育問題などが詳細に批判されている。全ては触れないが、自治体財政とメディアに関して少し。
自治体の財政論は難しいが、橋下知事の「夕張と大阪」の比喩や「禁じて」のフレーズを批判しているくだりは面白い。大阪府財政が他県と比べて特段悪い状態に無いこと、夕張市との比較は意味が無いことが明快に指摘されている。
しかし、国でも府でも、財政は訳がわからない。特別会計、裏金、算定方法の違いなどな ど、、、。本当に赤字なのか、誰が赤字を作ったのか、政治家はこれを明らかにしないし、マスコミもこんな大前提を明確にすることなく、危機を垂れ流す。「財政危機」などと言われてもこんな中で意見など持ちようがない。結局、「構造改革」でも痛みに耐えたままだし。
マスコミとの関係に関するくだりでは、馴染みある番組をいくつかあげてその偏向が検証されている。視聴率を追いかけるテレビの限界とは言え、小泉政権後に一部で見られた反省は、ここには見られない。小泉政権の手法の焼き直しとも思える手法が大阪で、特段の警戒もなく、受けていると言う実態に暗然とする。
そのほか、爆笑問題の事務所「タイタン」のスタッフが橋下知事の広報担当として積極的に関わっていることや、府政記者クラブと橋下知事の「意見交換会」の経過説明を求める公開質問状に府政記者クラブが応えなかったことなど面白い話が幾つもある。
この本の評価は読者により分かれるだろうが、とにかく、橋下知事が何を約束し、何をしたのか、何をしようとしているのかを冷静に観察することが重要と思える。そのなかでこの本の是非が論じられるべきだろう。