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樹液そして果実 [単行本]

丸谷 才一
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商品の説明

内容紹介

時代と国境を越えたスリリングな批評集
最新の英文学研究を踏まえたジェイムズ・ジョイス論から『源氏物語』、日本の近代小説まで。万巻の書をひも解き、おもしろがることが流儀の丸谷才一流の文芸批評の頂点となる一冊。

内容(「BOOK」データベースより)

『若い藝術家の肖像』と『ユリシーズ』を素材にした刺戟的で創見に満ちたジョイス論を幕開けに、『源氏物語』を世界的視野で分析し、後鳥羽院と折口信夫の驚くべき関係を語る。そして、鴎外、紅葉、谷崎から大岡昇平、吉行淳之介までを論じ、さらには金屏風とは何かを探求する。王朝和歌から20世紀のモダニズム文学までを一望する最新文藝評論集。

登録情報

  • 単行本: 432ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/7/5)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 408771408X
  • ISBN-13: 978-4087714081
  • 発売日: 2011/7/5
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By bias トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
いつかはこうしたものとしてまとめて読みたかった、という
丸谷さんの愛読者の欲求を満たしてくれる充実した評論集。

さすがジョイスの代表作の翻訳を出した版元の刊行物というべきか。
他社の大衆文芸誌に長く連載している話し言葉ふうの軽妙なエッセイ
(の単行本化、および文庫)なども、もちろん愉しいが、
ときにはこうした、力のこもった本格的な評論集もいい。

巻末の初出一覧を見れば明らかなように、必ずしも最近の執筆ばかり
ではない。中には前世紀に著したものもある。発表順でもない。
だがそこは(本書でも賞揚する)『新古今集』の稀代の読み手である
丸谷さんの本。この和歌集同様、選択と配列の妙が存分に生かされている。

つまり、「ジョイス、古典、近代、藝術」の4部構成が、
あたかも勅撰和歌集の部立て(春夏秋冬恋…)にならった私家集のよう。
新旧のテーマの組合わせの中に、過去(1991年)から直近(2009年)の
文章まで、蕪雑な混在というより、巧緻な綾織りとして仕込まれてある。
個々の評論のおもしろさは、いわずもがな。かくして、個々のテーマが
補完し合い、協奏し合ってなんともよい読み心地。

版元や編集者の打算や都合を差し引いても、むしろ、こうしたカタチで
まとめてくれたことに感謝。
精妙・豊穣・諧謔・含蓄と、様々な魅力で、長く手元におきたい一冊。
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By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
山形県の〈庄内藩の)庄内出身にはいろんな人がいるが、とりあえずあげると
清河八郎
石原莞爾
藤沢周平
丸谷才一
渡部昇一
佐高信
などである。この中で、藤沢周平氏と丸谷才一氏は庄内の多くの人が誇ってやまない人物であろう。

その、丸谷さんの教養溢れるエセイ集。その中にある至言。
「登場人物の美行を顕彰するのは小説一般に向かない」
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
甘味滴る書名に惹かれて読んでみたが、柔らかな表皮の内部は博学才知をもって鳴るこの著者ならではの広く深い考察に満ち満ちていた。前半はジェームス・ジョイスの「若い藝術家の肖像」と「ユリシーズ'V」を巡る才走った文芸評論、後半は八代集や源氏物語、王朝和歌、後鳥羽上皇、折口信夫などを、筆が疾走する思考に追いつこうと必死に飛び回る刺激的なエッセイだが、もちろん後者が抜群に面白い。

折口の推測では、源氏物語の主人公がやたら王朝の女性をものにしようと齷齪するが、これは彼が色狂いしているのではなく、女の財産を狙っているからで、その代表が光源氏が朱雀院の懇望を入れて女三の宮を引き受ける箇所だという。
もちろん源氏は「皇女」を蒐集したい気持ちもあったが、この豊かな財力を持つ少女が政敵の太政大臣の息子の柏木に収蔵されたらマズイ、というので紫上の正妻の地位を格下げにしてまで結婚したというのです。 

これに関連して著者は、男子が単独相続する父権制社会の成立は鎌倉時代からで、それ以前は女性が荘園領地内の不動産や物権を相続する母権制の名残が色濃く残っていたのだ、と主張しています。目から鱗とはこのことでしょう。

また著者は、偉大なる学者、高群逸枝の驥尾に付して、天皇家という家系は存在しない。その証拠に天皇には名があっても姓がない、と説いて我々を驚かせます。確かに神武以来歴代天皇の系譜は存在するが、それは家系図ではなく、単なる皇統譜であるというのです。

例えば源氏物語を読んでも桐壺の更衣は里の実家に下がって源氏を産んでいる(源氏は天皇ではないけれど、天皇の場合も同じことです)。
つまり母権制の社会では、帝は皇居をあちこち移動させながら、複数の后の実家に婿入りをしているのだが、帝名義の家族は、ない。家族がなければ、姓もない。だから現代でも裕仁だの明仁という名前しかないというのですが、どうやらこの人は筋金入りのフェミニストのようですね。

ギースチョンを二匹助けてやりました 蝶人
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